Team ABeam スタッフ

丁度、1年半程前になるでしょうか。
田畑選手はスキッパーとしてのキャリアを封印、近藤選手と組み、クルーとしてロンドンを目指すと決めました。

それからが大変です。
クルーとしての体格づくり、筋力アップ、並大抵の努力ではありません。
毎日の練習後、彼女の両腕、両肩はパンパンに腫れあがり無言の悲鳴を上げていました。
食事のお箸も上がらないほどです。しかし彼女の口から一切、ネガティブな言葉を聞いたことがありません。
傍らで黙々と田畑選手のアイシングを手伝い、かいがいしく氷を整えていた近藤選手、この二人の姿を忘れることができません。

心強い男子チームのサポートも欠かせません。特に吉田選手は今まで培ってきたクルーとしてのスキルを惜しげも無く差し出しました。
北京五輪代表の座を争ったスキッパー同士が組んで、1+1=1位 になれると云う夢のような話を現実のものにした二人。
最強のコンビ誕生の原点は、あの時だったのだと改めて感動しました。

さて気がつけば、英国南西部ウエイマスはもう紅葉が始まっていました。
そういえば2~3日前から、夜はヒーターが必要になっていました。
金メダル獲得の日の夕食はお祝中華で。
恒例のテイクアウトですが、勝利の余韻が最上の食卓を演出してくれます。
今日ほど美味しい食事は有り得ません。


そして翌日は久しぶりのオフ。少しだけ遠出してレース海面を陸から眺め、近隣のイギリスらしい風景を堪能します。
農家を改造したレストランでは典型的な英国式ブランチで。
こんなに屈託なく笑う近藤選手は久しぶりに見ました。
半年に及んだ欧州遠征も今回の英国で終了。
今日は格好のリセットになった筈?!です。

男子チームは改めて決意を新たにし、女子はもちろん、更に努力を重ねることを決意、心から笑い、このひとときを甘受しているようです。
このムード、ロンドンまでもっていきましょうね。


現地レポート:塩澤朋子/PHOTOWAVE
写真:添畑薫/PHOTOWAVE

小松 一憲

朝から降り出した雨も11時には止み、風速4.5から5.5メートル、風向335度、時折360度の風も入るシフトの多いコンデションになりました。11時30分に女子のメダルレースが開始しました。ポートランドの防波堤の内側に作られたコースでおこなわれたのですが、今日の風は、ウエイマスの住宅地となっている丘を越えて吹いて来るので、どうしても変化が多くなります

昨年は、2位と1点差の首位でメダルレースを迎えました。結果は9位、トータルで4位となり、3位には1点届かず、惜しくも表彰台を逃しました。今年も首位でメダルレースに進出したのですが、2位のアメリカとの差は9点、その他は大きく離れており、状況は昨年と全く違っています。
スタート前にアメリカがマッチレース的に仕掛けてきました。6月に一時帰国した際、葉山沖でマッチレースのトレーニングをした効果がここであらわれました。動揺することなく落ち着いて対処しました。クイックな動きができる470級では、スタートにおいて、マッチレーステクニックを駆使しても相手を封じ込めることはできません。効果があるとしたら心理的なプレッシャーを与えるだけで、マッチレーステクニックの素養がある者にとっては、「私はあなたと僅差でこのレースを迎えました。よろしく!」の挨拶程度でしかありません。

スタートは、本部船寄りの3番手、オランダ艇とアメリカ艇の間に位置し、オランダが若干前に出てスタートをしました。始めにアメリカが苦しくなってタッキング、続いてこれを追う形で近藤・田畑組がタッキングをしました。アメリカの近くにいて4艇以上離れなければ、問題無く勝てるレースですから、戦法としては間違っていません。

コースの約3分の1を走ったところで、左に伸ばした艇が先行し、ポートタックになってコース中央に寄せてきました。それを受けて、ほぼ全艇がポートタックになった時、近藤・田畑組の一艇だけが、逆のスターボードタックでそれらの後方を通過し、左海面に出て行きました。海面を右から左に横切ったのですが、フリートレースのタクティクスとしてはセオリーに反します。この時は肝を冷やしました。このコース取りは、限りなくビリになる可能性があるからです。

女子の前に行われた男子のレースで、この海面を良く知っているイギリスの2艇は、最初から左海面を狙い、そのうちの1艇がトップフィニッシュしました。女子のイギリス艇も同じく左狙いでした。レース前は気象関係の話や男子のレースを見ていた私の報告も含め、色々と情報が与えられます。しかし、私は朝の時点で「情報にこだわってはいけない。試走して、またレースしながら得る自分の情報に基づき、あくまでも自分の目で見て判断すべきである。柔軟に対応するように!」と指示していました。左海面に到達する間、最悪の見え方をしていましたが、好運にも助けられました。左で良いパフを拾って、風上マークをなんとか9位で回航しました。

ランニングで6位に上がり、続く2回目のクローズホールドは、ほぼ全艇が左に伸ばしました。コースの半分まで、その流れについて行った、近藤・田畑組でしたが、右から良いパフが入ってくることを確認し、右に二回、風を取りに行きました。それらは、それぞれ成功し、第2風上マークで一気に3位に浮上しました。最後のランニングは、風が右(北方向)に振れた一本コースとなり、危なげなく、3位でフィニッシュし、優勝が確定しました。

今年に入って、近藤・田畑組のISAFグレード1の表彰台は2度目です。コンビを組んでから(1年5カ月)は、4回目となります。さらに近藤選手は、今回を含め、参加したオリンピックのプレ・イベントの成績は、チンタオ2位、昨年のウエイマス4位、今年優勝と良い成績を残しています。オリンピック本番に向け、ここでは詳しく申し上げられませんが、今年3月からのヨーロッパ遠征(7試合出場)で見えてきた課題に取り組み、来年、ヨーロッパにきてインターナショナルの選手と手合わせする時には、さらにバージョンアップした姿を見せてほしいと思っています。

今年の遠征結果は次の通りです。(近藤・田畑組)

- プリンセスソフィア(スペイン) 7位
- スプリングカップ(フランス・男女混合) 12位
- イエール(フランス) 5位
- ガルダオリンピックウイーク(イタリア) 優勝
- デルタロイド(オランダ)6位、世界選手権(オランダ) 6位
- セールフォーゴールド(イギリス・ウエイマス) 優勝

勝てる時に、きちっと勝つというのは、簡単そうで難しく、そして、どんなレースでも大切です。近藤・田畑組に「おめでとう!」の言葉を送りたいと思います。

最後になりますが、いつもこの原稿を現地時間、朝3時頃から書き始め、宿を出るまでになんとか書きあげて送ります。送った後、あらためて読みかえすと、「提出前に、なぜもう少し、読み返さなかったのか」と強い自己嫌悪感が襲ってきます。簡潔とはほど遠い文章、推敲不足の文章、誤字脱字だらけの文章を提出していることを恥ずかしく思います。お読みいただいている皆様にお詫び申し上げ、報告を終わります。

写真:添畑薫/PHOTOWAVE

Team ABeam スタッフ

8月14日、早くも紅葉が始まった英国南西部ウエイマス。
朝から本格的な雨が降っています。気温は15度~17度。
北寄りの風が8ノット~12ノットぐらいまでの間を行ったり来たり。
風向も定まりません。
470女子のメダルレースは11時30分スタート。
昨日までの10レースを終え、92ポイント。昨年同様トップでメダルレースに挑んだ近藤・田畑組。
無難にこなせば十分、メダル獲得の可能性大です。

昨日、スペインを抑えて2番手に躍り出たアメリカチームとの駆け引きが見ものです。
レース前のポジション取り、アメリカチームは近藤・田畑組をしっかり捉え、しきりにマッチレースのごとく仕掛けてきます。
後から聞くと、このとき近藤選手は思ったそうです。
「ひょっとして私たち、おさえられている?」
しかし逆に、アメリカを捕まえておけば、近藤・田畑組にも有利です。

遂に2レグ、上マークへと向かうその時、風の振れをうまくつかみ安全圏に逃げ込むことが出来たのです。最終的には文句のないレース運びで、優勝を確実にしました。

2年後、この地で開催されるロンドン五輪のセーリング競技、今回のチーム・アビーム近藤・田畑組の活躍ぶり、好成績は、非常に有効な布石となったのではないでしょうか。

近藤選手、「優勝とかいう前に、とにかく、アメリカを捉えようと思っていた」
果たして無心で臨んだ結果、勝利を得たのでしょうか。
フィニッシュ直後、優勝を確信しても、もっと笑って…、喜んで…、と言わなければなかなか嬉しそうな表情が浮かばなかった近藤選手。
「おめでとう!」各国の選手やメディアからの祝福に、やっと、会心の笑みが浮かびました。

田畑選手、「去年もトップでメダルレースにいけたんですけど、2位とのポイント差が僅差で不安だった。今回、アメリカチームとの間には4艇の差があり、ずっと気が楽だった。
自分たちが6位以下でも、いけたし。。。」と、堂々と自信に満ちています。
スキッパー出身の彼女は、レース中の状況を把握する能力に長けています。
インフォメーションが的確で、近藤選手とのチームワークも上々の仕上がりとなってきました。

小松監督は「風の振れに対応する力が備わってきたから、今日の風域だったら心配はしなかった。
しかし、一度、アメリカの側を離れないと決めたら、余計なことを考えずに徹底していなければならない。
変に勝負に出たりしないで…」
又、「今後はクリーンヒットが欲しい。国際レースで常に上位にいられる様にするには、オールラウンドで
なければならないが、体重、体格が上回っている連中を相手にするのだ。
特異な風域、例えば5,6,7Mぐらいの軽風域の中では確実にトップをとれるチームになることが、当面の課題である。まだ、まだ道のりは遠いが…」
このチームを組んで、G-1レベルの表彰台に上るのは今回で3回目。
何といっても、久しぶりの快進撃に満足気でした。

現地レポート:塩澤朋子/PHOTOWAVE
写真:添畑薫/PHOTOWAVE

Team ABeam スタッフ

セール フォー ゴールド 2010
470級女子 近藤・田畑チームが優勝しました!

Results:
470 Women


写真:添畑薫/PHOTOWAVE

Team ABeam スタッフ

8月13日金曜日、『13日の金曜日』、西洋ではこの日に起こる全ての災いは、キリストが処刑された日といわれている縁起の悪い日、すなわち、この日だから…で片づけてしまいます。ジェイソンは関係ありません。

決勝シリーズ最終日、第9、第10レースが行われました。
この結果、上位10位までのチームで明日のメダルレースは競技されるわけです。
北西の風9~14ノット。気温17~19度。水温も同じ様なものです。
第9レース、近藤・田畑組は完璧なスタートを切りました。
近藤選手曰く「全ての艇が、後ろに見えました。気持ちよかった…」

それっ!!我々プレスボートは超特急で第1上マークに向かいます。
彼女たちがトップでマーク回航する、雄々しい?!姿を捉えるべく大疾走です。
アレっ。。。来ない!
強弱、振れまくる風の仕業でしょうか、何と23位での回航。このレースは24位で終えました。
昨日の第8レースまで2位につけている近藤・田畑組、ブルーのビブが証しです。
第10レース。今回は完璧とはいかないスタート、同じような展開。
ああ、又もや、不安がよぎります。
お負けににわか雨。弱り目に祟り目。そして今日は13日の金曜日。。。。
しかし最終レースは9位まで追い上げたのです。第9レースの24位を捨てて、92ポイント。
結果、あに図らんや、トップです。
昨日まで6位だったUSAが2位に追従してきました。

プレスルームのコンピューターの前にいるのが一番早い情報を収集できます。
午後4時半。陸に上がってきた彼女たちに伝えると、「1位なんだ・・・」と。
「今夜のBBQの材料、買いに行かなきゃ・・・」と言わんばかりです。
今日はお祝BBQ?!いいえメニューは昨日から決まっていました。
例のカレーは食べちゃったし、残り物ははけちゃったし・・・
でも、最高に美味しい食事となりました。ハッピー!ハッピー!
明日のメダルレース、地道にコンスタントにポジションを固めてきた、彼女たちの粘りに期待しましょう。

男子チームは、同乗の地元のビデオカメラマンが、パラリンピックの
スタートシーンがどうしても必要だと云うので岸辺に近いレースコースに戻っている間に
終了してしまいましたが、21位と22位、原田・吉田組、最終的には29位で終えました。
「くよくよしないのも技術のうち…」
昔、何もかもうまくいかないとき、先輩が掛けてくれた言葉です。
言い得て妙です。
その技術、磨くと結構効果有るのです。前に進むエネルギーに変えた方が得策ですから。



現地レポート:塩澤朋子/PHOTOWAVE
写真:添畑薫/PHOTOWAVE

小松 一憲

朝は快晴、昼過ぎから雲が出て、時折雨もぱらつく天気となりました。今日で決勝のフリートレースが終わり、明日は上位10チームによるメダルレースで、この大会が終了します。始まってしまえば、いつも同じで、あっという間に終わってしまいます。女子は、2位に9ポイントの差を付け、首位で明日のメダルレースを迎えることができました。男子は、思うようなレースが今日もできず、トータル29位でこの大会を終えました。

男子、第1レース、風速4から5メートル、風上マークの角度、335度、本部船寄りに集まった艇団の左から10番目に並び、無難なスタートをしました。本部船寄りに集まった大多数の艇は、すぐにタッキングをして右に展開し、岸沿いの風をとらえ、向かい潮を避けるコースを狙っているグループです。その集団の風下から出るというのは、スタートの混乱に巻き込まれるリスクを少なくし、右方向へのコース取りを初めから決めてかかるのではなく、風向変化に合わせて走ろうと考える、ヨットレースではスタンダードな考えで、けして悪くありません。ただし、470級のエリアは、小高い丘の海岸線に近く、西南西から北にかけての風が吹くと、風も潮流も陸の影響を受けるので、スタートの狙い方を含め、コース取りに工夫が必要になります。原田・吉田組はスタート後の走りで、小さな風の振れに反応しすぎる傾向があり、また他艇を意識してのタッキングの多さが気になりましたが、第1風上マークを6位で回航しました。この風速であれば、これまでなら順位を守り、あるいはもっと上位に上がってくるのが原田・吉田組だったのですが、今日は、第2風上マークへの走りで大きく順位を落とし、22位でフィニッシュしました。このところ、どうしたことかコース取りに冴えがみられません。

第2レース、風速、5から7メートル、風向335±15度、アウトサイドリミットマーク寄りの8番手で、第1レースに続き、無難なスタートをしました。このレースもスタート後、さほど走っていないところのコース中央で、短い周期のタッキングが目立ちました。風上マークの回航は18位、フィニッシュは21位、スピードは悪くないと言いながら、どうしても20位以下のフィニッシュになります。

近藤・田畑組の第1レースは、アウトサイドリミットマーク寄りの2番手から、良いスタートをしました。この様なスタートをすると、集団に対して左に位置していることもあり、左海面を使うことになります。通常この様な良いスタートをすれば、風上マークの上位回航は約束されたようなものなのですが、右に偏って有利な条件のあるこの様なコンディションでは、そう簡単に事が運びません。右を狙って我慢して伸ばした艇団が右に15度ほど振れた風をつかんでコース中央に寄せてくると、スタートのアドバンテージは全く無くなっていました。第1風上マークは24位で回航しました。その後、風速が落ち、風のむらの弱いところを走るなど、浮上できずに24位でフィニッシュしました。

第2レースは、本部船横で集団の中からのスタートになりました。ブラックフラッグの失格を避けたいとの思いが、前に出ることを躊躇させたのでしょう、10秒前にはじき落とされ、ブランケットの為に身動も取れない最悪のスタートとなりました。それでもブラックフラックの失格を避けれることができたのは不幸中の幸いだったと言えます。やっとタキングして右に出はじめたところところ、また風上でタッキングされ、かぶされてしまう、この様なスタートの時によく見られる苦しい展開となりました。3回のタッキングでようやくフレッシュウインドをつかめたのですが、その時点で、普通にスタートできた艇には大差をつけられていました。風上マークを23位で回航し、第2風上マークまでに18位と追い上げたのですが苦戦が続いていました。ランニングのコースに入るころから風は2メートル以下に落ち、それが風下マーク近くなって一気に6メートルに吹き上がってきました。後続の艇が塊となり、一気に迫ってくる状況で、この風に落ち着いて対応し、9位でフィニッシュしました。我慢のセーリングが最後に報われた形になりました。

明日のメダルレースも普段通りにレースをするだけのこと、のびのびとレースをして欲しいと思います。

小松 一憲

気圧配置が西高東低となり、北西の風が吹いて秋の気配を感じます。最高気温も昨日来19度、お盆を迎え、暑い盛りの日本では考えられない涼しさかもしれません。
今日から後半戦が始まり、男子はグループがゴールドとシルバーに分かれました。

11時、定刻に女子のスタートが開始しました。風速は5から6・5メートル、マークは310度、今日のこの時間帯の予報は、280から310度でしたから一番北寄りの風が吹いていたことになります。アウトサイドリミットマーク寄りの1番に吉迫・大熊組、2番手に近藤・田畑組と並んだのですが、スタート直前に左に振れた風の為にラインを切ることができず、タッキングをしてスターボード艇を避けながらラインを切って行きました。5回のタッキングでフレッシュウインドをつかみましたが、大きく出遅れました。第1風上マークを20番前半で回航し、徐々に追い上げて9位でフィニッシュしました。

第2レースは、マークが300度にセットされ、風速は5から9メートルとアップダウンの差が大きくなりました。本部船寄りの集団の中から、悪くないスタートをしたのですが、その後の展開で、第1レースで成功し、追い上げるきっかけとなった岸の風をつかみに行くことを優先し過ぎて失敗していました。
第1風上マークの回航は18位、フィニッシュは12位でした。

男子は、2レース共に、本部船寄りにできた集団の風下からスタートしました。コース取りは、これもまた2レース共にスタートして左に長く伸ばし、第1風上マークをブービーないし後ろから数艇の順位で回航しました。二回目のクローズホールドは、一転して右に強引に伸ばすというコース取りで、それなりに考えてのことなのでしょうが、外から見る私には闇雲、としか思えませんでした。30艇しかいないゴールドグループですが、順位は2レース共に29位でした。

今日の風向は、陸から吹いてくる為に当然変化も多く、断続的に流れてくる雲の到来と共に風向と風速の変化の幅が大きいコンデションとなりました。
陸に近づくと風のむらはあるのですが、波が無くなり、さらにスターボードタックでリフトする傾向にありました。基本的には岸に寄せて行き、岸沿いでベンドする風をつかむコース取りが成功していましたが、風向によっては、スターボードタックを選択して走る必要があり、そのあたりの使い分けが難しかったように思います。

レースの始まる前の試走で風がアップダウンした時、岸に近づいた時と、それぞれの特徴を把握し、さらに、スタートの直前に吹いている風を判断し、最終的なプランを作ります。第2レースは、第1レースで経験したコース上に吹く風の特徴を加えて考えなくてはなりません。ヨットレースでは当たり前のことですが、そのあたりの能力を問われた一日だったと思います。

今日、2レースをしっかりまとめたチームは、全体でも少なく、コンデションが難しかったという証明になるのですが、2レースのうち、少なくともどちらか一方が良くなくては、レーシングテクニックの一番大切な部分であるコース取りが、全くできていないということになります。1レース目の成功や失敗の経験をもとに、2レース目を走るのですが、その2レース目の男子先頭集団の顔ぶれがランキング上位選手で占められているのを見て、2レース共にブービーの成績をとった原田・吉田組の力不足が良く解りました。完敗でした。彼らがそのように言ったわけではありませんが、「難しかった」の一言で片付けず、オリンピックで戦わなくてはいけないこの海面の、今日のようなコンデションの攻略方法を考えるべきです。そして、それをしっかり記憶しておく必要があるでしょう。

近藤・田畑組は、とにかく明日も1レース1レースを大切に戦うべきでしょう。原田・吉田組、そして私にも言えることですが、どんなに一生懸命やっても、へたり込みたくなるような、日もあるでしょう。しかし、このような所で意気消沈していては、メダルは遠のくばかりです。しっかり前を向き、これまで通り真摯に、そして正面からの戦いを続けるべきだと思います。

Results:

470 Women

470 Men

Team ABeam スタッフ

写真展の翌朝、英国へ出発、昨夜無事チームと再会いたしました。
空港から3時間余り、ナビを使ってもウエイマスの昔ながらの小道にある彼らの宿舎に着いたころには既に夜9時を回っていました。

明るい笑顔で迎えてくれたのは好調な女子チーム。
絶不調の男子チームはといえば、、、
「明日の朝楽しみにしていてください!」と原田選手。頼もしい。
そうです!この前向きな処が彼のいいところ。吉田選手も笑顔で「うん…」のうなずき。
「写真展…どうでした?…」、彼らも聞いてきます。
こうして、ひとしきり近況報告など、よもやま話に花咲かせてお暇を。

一夜明けて、またもや素晴らしいお天気です。
一昨日までの雨と霧の寒ーいウエイマスとは一変しました。

メディアルームの常連と軽く挨拶を交わして。セーリングジャーナリスト界の長老ボブ・フィッシャー、ベテラン記者スチュアート・アレキサンダー、イタリアからは粘り強い取材で人気のルッカ。どなたも超一流の記者ばかりです。

流石、プレ・プレ・オリンピック『セイル・フォー・ゴールド』、2012年ロンドン五輪を目指す世界でもトップクラスの選手が一堂に会しての大会、集まるメディアも超一流。

青空に反映して青く光る海に美しく広がった黄金色の見事な砂洲。セイリング開催地、ウエイマスです。

この沖合で2012年、ここでロンドン五輪、セイリング競技が行われるのです。
イギリス海峡の速い潮流が成した芸術的ともいえるこの景観、果たしてこの潮流が選手たちを悩ませることになるのでは…と思えてきました。



初日から好発進の近藤・田畑組、昨年は田畑選手と組んで半年目の大会で4位、それも惜しいところでメダルを逸すという好成績でした。

今大会でも、落ち着いた試合ぶりが好成績につながっています。それにしてもスゴイ!
両選手の努力の賜物でしょうか。着実に実を結んでいます。
1年のキャリアを積んだだけのコンビネーションで、ここまでくるとは驚きです。



思い通りの試合が出来ないもどかしさが滲みます。原田・吉田組。
それでもあくまでもアグレッシブに原田選手、冷静な吉田選手。
男子の壁は厚い!これ実感です。
でも、後ろを振り向かないのが『原、吉コンビ』のいいところ、ホラ、この笑顔!いいでしょう。

現地レポート:塩澤朋子/PHOTOWAVE
写真:添畑薫/PHOTOWAVE