2011年08月 アーカイブ

近藤・田畑組、逆転金メダル獲得!!

8月12日金曜日。ご多分にもれず雨模様のメダルレース。
ポイント1点差までに追い上げた、近藤・田畑組。
イギリスチームGBRは何としても抑えて、優勝といきたいところです。
スタート前10分前。
GBRは執拗に近藤・田畑組を追いかけます。
5分前。
本部船の周りを右回りにぐるぐると何回も追いかけます。
緊迫したマッチレースの連続。一瞬たりとも油断が出来ません。
GBRの執念さえ感じられます。

しかし、最後の15秒前。
近藤・田畑組、うまくかわしてスタートポジションを確保。
完璧なスタート。


陸の観覧ゾーンでは、ユニオンジャックに負けじと日の丸の旗がはためきます。
複雑な海面、今日の彼女たちはとても落ち着いていました。

メダルレースは得点ポイントが2倍になるので、GBRを抑えても、間に他のチームが入らなければ逆転にはなりません。
南西の風、5~7ノット。相変わらず風の強弱がある海面。
GBRを冷静にずっと抑え続けます。
あわやという場面も有りましたが、彼女たちをめぐるこれだけの強敵の中、粘り強く、落ち着いた試合運び、巧く風を拾います。見事です。

NZが1位、次が日本、3位はスペイン、4位が英国。完璧なスコア。
この瞬間、近藤・田畑組の金メダル獲得が決定的になったのです。
価値ある勝利です。


思わずハイタッチ!!
各国メディアからも惜しみない賛美が送られます。
日本女性の粘り強さと正確さを見せつけました。

今日ばかりは、鬼監督の小松さんにもにっこり笑みがこぼれます。

金メダル 日本、銀メダル 英国、銅メダル オランダ、この3組の顔ぶれ、黄金トリオです。
オランダのリサからも「おめでとう」と声を掛けられていました。

小松監督:「ガチンコ勝負で勝てたのは今までになかったと思う。なかなか逞しくなった。
これで一番高い台に上るわけですが、そこで二人に見えるものがあるのではないか。
力を合わせて戦うことによって、獲得するものが見えてきた筈である。」

近藤選手:「これだけ並み居る強豪の中で、勝利を手にできるのは本当にうれしいことです」

田畑選手:「今回、特にイギリスに勝てたのが何よりです。嬉しいです」

現地レポート:塩澤朋子(フォトウエーブ)
写真撮影:添畑 薫(フォトウエーブ)


大会公式サイト:
http://www.sailing.org/london2012/2011-test-event.php

近藤/田畑組、3‐3と まとめ 総合2位でメダルレースへ進出
遂に1位のGBRに、その差僅か1ポイント

8月10日曇り。雲の流れは速く、時折雲間から青空が見え隠れします。
昨日までの北寄りの風が、朝宿舎を出るころには南西に代わって、心もち風速も上がってきたような気がします。
メディアセンターに着くなり、「あと10分でメディアボートは出るから、急いで…」と、言われて、時計を見るとまだ10時を回ったところです。
メディアボートのディレクターは「今日は風が強くなってくるから早く出るんだ」というのです。
大会も、残すところ数日となって急にジャーナリストが増えたようです。
果たして、メディアボートが並ぶポンツーンは大わらわ。慌ててボートに乗り込んで、時計を見ると10時半、「なんでこんなに慌てなければならないの?」顔見知りのジャーナリストと顔を見合わせて大笑い。
12時スタートの470海面までは40分足らずで行けるのです。
今日は『サウス』。ポートランド湾を出て南側の沖に出た海面です。
なんだか誰もが、そわそわしだしました。

12時15分スタート。このころには風向250度、風速は22ノットから24ノットまで上がってきました。
ガストは30ノットもあったそうです。お負けに気温は16度、相変わらず寒い夏です。
シリーズ中、1番吹いたのではないでしょうか。波もうねりも半端ではありません。
レース9、難しいコンディションの中からのスタート。
コースはインナーループのトラペゾイド。
近藤・田畑組、ピンエンド(風下側)4~5番目から無難にスタート。
第1風上マークでは12番で廻ったものの、その後徐々に順位を上げていきます。

ニュージーランドとフランスが1位2位を争うように先行する中、最後のレグで3位に上がり、フィニッシュ。強風ではなかなか勝てなかったオランダのリサを抑えての3位です。
GBRは9位、王手です。

レース10、近藤・田畑組はまたもや3位。しかしGBRが4位と微妙に上がってきて、その差はわずか1ポイントとなったのです。そして遂にオランダチームがトップを取り3位に躍り出ました。
地元の強み、この海面を知り尽くしたGBR。強風にはめっぽう強いオランダ。そして昨日まで3位だったブラジルが4位に。
こうしてみると、相手に不足は無いという顔ぶれです。


明後日のメダルレース、第1レースを行った、例の『ノース』と呼ばれているコースで行われます。
近藤選手が「初めての海面で戸惑いました…」と言ってたように、ここをメダルレースの海面にしたのは、陸側の遺跡をオリンピック本番に向けてスペクターゾーンにと準備しているためです。
きっと大勢の人々でにぎわうことでしょう。

現地レポート:塩澤朋子(フォトウエーブ)
写真撮影:添畑 薫(フォトウエーブ)

大会公式サイト:
http://www.sailing.org/london2012/2011-test-event.php

近藤・田畑組、総合2位を死守!!

8月9日。
ロンドン五輪2012のテストイヴェントとして行われている当レガッタ、近藤・田畑組が参戦している470クラスは、昨日の予備日をはさみ、いよいよ後半戦に突入します。
といいましても残すところ後4レースです。
10レースこなして10位以内に入っていればメダルレースに出場となります。
「このところ不甲斐ないレースばかりでしたので、こうして上位の中で戦えるのが嬉しいです」と近藤選手がいうように、この調子を持続できればメダルレース出場、上位、いや優勝も夢ではありません。

本日1レース目、レース7。レースコースは『ウエスト』
北西の風、7~8ノット。複雑な風です。
スタート直前、総合1位と2位のチームの譲れない攻防戦。
近藤・田畑組は、本番仕様の電光掲示板が作動する本部船側、風上側から狙います。

GBR、そうは行かせないぞとばかり仕掛けてきます。
結局、弾かれて一瞬、出遅れたようです。
あっという間に数艇身離されます。ほんの数十秒のことです。

殆ど半数の艇がタックして岸側の方へ向かいます。GBRも行きます。
しかし近藤・田畑組は反対方向にずんずん進みます。「何故右に行かなかったのですか?」
「あれは無いです。全く風が安定していなかったし…」と田畑選手。
一時は、そっちでいいの?と思わされたのですが、スタートの遅れはきっちり取り戻したようです。丁寧に風を拾っていった結果でしょうか、3位までにもってきました。

「難しかったけど、いつも練習していた海面だし、チューニングなどいろいろ試したら、ぴったり合うポイントが見つかって、スピードも戻ってきたと思うし、落ち着いて試合出来ました」と近藤選手。
「風は結構、振れたのですが、結局、風に助けられたと云うところでしょうか…」と田畑選手。

鎬を削る女子470クラス、8レースを終えた処で、成績表は正直です。
メディアルームの下馬評通り、常に上位常連のトップクラスのチームが1位から10位までを見事に占めているのでした。
気を抜くわけにはいきませんが、フィニッシュ後思わずホッと笑みが出る余裕も出てきました。
今日着けていた総合2位のポジションを表す青いビブ。又明日も着ることになりました。

レース7=3位、レース8=5位 総合2位で最終日を迎えます。


現地レポート:塩澤朋子(フォトウエーブ)
写真撮影:添畑 薫(フォトウエーブ)

大会公式サイト:
http://www.sailing.org/london2012/2011-test-event.php

近藤・田畑組、得意な強風域で総合2位に躍り出ました。

8月7日。470クラスのレース3日目です。
昨夜から落ちずに残った風が木々の葉を揺らします。
新たな気圧の谷の影響で昼過ぎにはもっと上がるだろうと予報されています。
今では「強風は得意です!」と公言してはばからない、近藤・田畑組。
レース5、南西の風18~20ノット、彼女たちの風です。

強風女王、オランダ、リサ・ウエスタホフ、このところ躍進目覚ましいニュージーランドのジョー・アレなどを押さえての堂々1位です。
オランダのリサにいい風の塊が入り、すわっ巻き返すのか、と思いきや、杞憂にすぎませんでした。
安心して見ていられる素晴らしい試合運びでした。
デルタロイド・レガッタのころを思えば、彼女の前を走り抜いたということは、
相当の自信に繋がるのではないでしょうか。



今日は男子が先で、10分遅れで女子がスタート。
本日2レース目のレース6は2時前にはスタートという素早い進行です。
2時を過ぎるころには20ノットの風がコンスタントに吹き、一時は24ノットまで上がりました。
強風域で2レースとも上位を保持するのは、男子でもかなりの体力を消耗する筈です。
結果4位、何はともあれ立派です。


「このくらいの風では絶対勝てなければ、いけないんですけど…」
試合後のインタビュで、まずはこの言葉が出てきました。
「スタート出遅れて…、この風だったらもっと上がれなくてはいけなかったのに、全然前に行けなくて…、4ラップあるから挽回できると思ったんですけど」と近藤選手。

ともあれ、「今日は早く上がったので、洗濯できますね」
「いえいえ、今日は内容が濃かったので、くたくたです」と笑顔の中に疲労の色がちらっと、見え隠れするのでした。


上げ上げモードで前半を終えることが出来た近藤・田畑組。
明日は予備日、これで少しはゆっくり休めますね。

『試合後はミックスゾーンを必ず通って帰ること』このお達しが各国選手に行きわたっています。
メディアには大変ありがたい配慮です。
オリンピック本番ではこのテスト・イヴェントの何倍も規制が厳しくなるとのこと。
放映権の問題だけでなく、欧州では常に隣り合わせの危険、テロなどから守るためです。


ミックスゾーンでは、どうしてもその日成績の良い選手に取材が集中します。
「コンドー・タバァタ」は海外メディアにも人気があります。

インタビュの後、外国人プレスが小声でささやきました。
「彼女たちは、あんなに小さくて か弱いのに、どうしてこんな強風の中で走れるんだろう?!」
「小さくて、か弱い?!」、確かに外国の選手たちは彼女たちに比べれば、一回りもふた回りも大きくて力強そうです。
日本女性の神秘的なポテンシャルに「ミラクルだ…」と不思議がることしきり。
明後日から後半戦です。果たして如何なるミラクルを見せてくれるのでしょうか。


現地レポート:塩澤朋子(フォトウエーブ)
写真撮影:添畑 薫(フォトウエーブ)

大会公式サイト:
http://www.sailing.org/london2012/2011-test-event.php

8月6日。
レース3、レース4。
西南西の風、8ノット。日差しの割には少し気温が低いような気がします。
雨模様の曇天が割れ、太陽が顔を出し始めると風が出てきました。

12時スタートの筈が、風を待って陸上待機。13時35分スタート。
今日は5つのレース海面の中で、一番遠い「イースト」と呼ばれる海面です。
ジュラ紀、白亜紀の地層が露出しているという神秘的な“ジュラシック・コースト”と呼ばれるイギリス独特の白い岸壁を背景に、白熱したレースが展開されました。

第3レース、第1上マークから一度も抜かれることなく、快心のトップフィニッシュを果たした近藤・田畑組。
全ての艇を後ろに観て走りぬきます。これほど気持ちのよいことはないでしょう。
これで勢いをつけて…。

第4レース。12ノット、風はもう少し上がってきました。
ところが、スタートのもたつきが後に引き順位を上げられません。痛恨の13位。
それでも総合5位までにもってきました。
まだ序の口、これからです。

レース3 快心のトップ疾走。

ライフボート(海難救助艇)レース海面に控えてくれています。運営は寄付だけで賄っているそうです。そういえば宿舎にも募金のボランティアの方が来ましたっけ。

第4レースのスタートです。左から5~6番目のところにいます。


現地レポート:塩澤朋子(フォトウエーブ)
写真撮影:添畑 薫(フォトウエーブ)

大会公式サイト:
http://www.sailing.org/london2012/2011-test-event.php

8月5日。
昨日は、ここ10日ばかり続いた好天から一変、前線が伴った冷たい雨が降りしきる朝のスタートでしたが、今日は見ごとに晴れあがり、夏らしい陽気が戻ってきました。
昨日のRS:X男女に続いて、いよいよ本日からT・アビーム女子近藤・田畑組が参戦する470クラス男女のレースが始まります。
女子は26カ国26チームが参戦。

第1レース目、レース海面はポートランドハーバーを出てすぐ左側に位置する『ノース』と呼ばれている海面です。
「初めての海面で、ちょっと戸惑いました…」と近藤選手。
ゼネラルリコールを繰り返してのスタート、第1上マークでは後方の塊の中に巻き込まれ、なかなか抜け出すことが出来ません。
風の振れに合わせられず、ダウンウインドでは抜かれるし…。試合を巧くまとめることが出来ぬままフィニッシュ。
いつものような冴えが見られません。16位でした。
気を取り直して第2レース。
今度は更にハーバー寄りの海面です。セール・フォー・ゴールドではメダルレースが行われた海面です。
しかし、本来の力が出せたかといえば、本人たちには納得のいかない結果だったようです。それでも5位に。
まだまだ手慣らしというところでしょうか。

試合終了後、ミックスゾーンで待っていると…。
「やっぱり?まだ、オリの中なんですね」と田畑選手、にこにことやってきました。
「いえいえ、貴女たちがオリの中なんですってば」
この越えようと思えば越えられそうな柵越しの会話が、新鮮で楽しくて仕方が無い様子。

初日の今日の感想は?「まあまあですね!」と田畑選手。
「海面はシフティでトリッキーで…」と言いかけて、言い淀みます。
「厄介なことこの上ないですね」とたたみかけると、「皆が走れているのに自分たちが走れない訳がない。皆同じ条件だと思うし…」ときっぱり軌道修正。弱音は言いたくなかったのでしょう。
このポジティブ思考が選手には必須な素質なのです。
複雑な風に手こずっているのかと思えば、「ここで誰よりも多くの時間を費やせばそれだけ有利でしょうし、気象予報もいろいろ参考にしますけど、最後は自分です。風は自分の目と感覚で読みます」と言い切った。あっぱれ。

大会オフィシャルのプレスからインタビュを申し込まれ、真剣に応える田畑選手。
ここでも「今日は右の海面がいいと思いました。とにかく右…」と答えていました。

「470女子は誰がトップを取ってもおかしくない実力差のチームが10組はいるから面白い」とメディアセンターの中でも話題になっています。
GBR、イタリア、ブラジル、オランダ、ニュージーランド、スペイン、フランス、U.S.A.、イスラエル。
勿論「アイ・コンドー」の名前も必ず出てきます。
「コンドー、タバァタ」と海外ジャーナリストの口から自然に出てくるようになったのには、多少の驚きと面映ゆさがありますが。

それにしても、力量が僅差だからでしょうか、ウエイマスの風が複雑だからでしょうか、上位常連のコンティやジョー・アレやオランダのリサが後方の順位に甘んじているのが不気味です。

R-1=16 R-2=5 総合10位


種目によってブイの色も違います。ピンクのブイなんて初めてです。

毎日のトレーニングは個人メニュ―で。
「宿舎の周りには素晴らしい景色があふれているので、走っていても気持ちがいい」と近藤選手。
その日によってコースを変えて気分転換します。


現地レポート:塩澤朋子(フォトウエーブ)
写真撮影:添畑 薫(フォトウエーブ)

大会公式サイト:
http://www.sailing.org/london2012/2011-test-event.php

夏季五輪大会としては第30回を迎える2012年ロンドン大会開催まで、余すところ約一年を切りました。
セーリングの開催地となるイギリス南部ドーセット州ウエイマスのポートランドでは、一年後の開催に向けての公式リハーサル、テスト・イヴェントが開幕しました。
チーム・アビーム、近藤愛選手・田畑和歌子選手は女子470クラスに出場しますが、日本からは彼女たちの他に6種目のチーム、選手が参戦します。

「全て本番と同じように…」、大会関係者の張りつめた空気のせいでしょうか、否が応でも、いよいよなのだという湧きたつような気持ちに駆られるのは、選手ばかりではないようです。
我々ジャーナリストも当然、幾つかの決まりを守って行動しなければなりません。
会場内は選手団のフィールドがしっかりと守られていますので、取材や撮影はミックスゾーンと定められたところ以外ではいかなる場合でも許されません。
正式認可パスカードによって入ることが出来るゲートも決まっています。

知り合いの審判員とすれ違いました。
こういう場合も挨拶以外は母国語で話してはいけないのです。
まあ、オリンピックですから当然なのですけども・・・。
この物々しい雰囲気、いつもの勝手との違いを楽しむしかありません。

さて、470クラスのレースは8月5日からスタートですが、前もって競技艇の計測が行われました。
出場国は1種目から各1チーム(選手)しか出場できないため、厳しい国内選考をくぐり抜けてきたトップクラスの選手たちが一堂に会しているのですが、懐かしい顔ぶれもちらほらと。
昨年のアジア大会でも会ったマレーシアの選手たちは近藤、田畑両選手の顔を見つけると、嬉しそうに飛んできました。ユースの選手たちです。
恐らく、近藤・田畑選手たちは彼女たちとって憧れの目標なのではないでしょうか。
柵越しに見た、温かい光景でした。

セイルに付けなければならない国旗、日の丸が見事に会社のロゴとマッチして。
さあっ、このセイルを掲げて12日まで、精いっぱい戦います。
いよいよ大会の火ぶたは切って落とされました。

現地レポート:塩澤朋子(フォトウエーブ)
写真撮影:添畑 薫(フォトウエーブ)

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