2011年07月 アーカイブ

雨の最終日です。

ヘルシンキで行われていたヨーロッパ選手権。泣いても笑っても470クラス最後のレースです。
今日ばかりは天気予報も外れて欲しかったのですが…。本格的な雨。
メディア泣かせです。
何故だかこのところ、メデンブリック、セイル・フォー・ゴールドと雨のメダルレースになってしまうのですが。
レース委員会は相当気合を入れて今大会を運営しているようで、各クラスのメダルレースは必ず中継録画され、その日の夜TV放送されます。
昨夜はフィン・クラスをオンエアしていました。
後援している数多い大手スポンサーも、これならハッピーです。
しかし、お天気ばかりはどうにもなりませんが。

レース13、11位以下の順位決定戦。男子ゴールドフリート、女子、男子シルバーフリートと続きます。
お決まりのゼネラル・リコールののち、近藤・田畑組、渾身のスタートを切りました。
ボートスピードも申し分なし。このまま行ける!!

果たしてダントツトップを邁進していきます。これぞ女の意地、近藤・田畑組の本領発揮です。彼女たち本来のポテンシャルが蘇ったようでした。
遂に2位以下の追走グループを大きく引き離してフィニッシュ。
何と1分48秒差でした。
こんなお天気では、まるで単独練習の写真みたいで、後ろの追走グループが全く写らないくらいです。
今までの悔しさを一気に爆発させ、溜飲を下げた近藤・田畑組でした。


男子、原田・吉田組はメダルレース。
センター・ヘルシンキの歴史的な建物が見え隠れする、ハーバー前がコースです。
雨は一段と激しく、墨絵のなかのレースみたいです。

晴れたらヘルシンキらしい美しい画像が撮れた筈です。
混戦に次ぐ混戦、フィニッシュラインを越えても、結果が出てきません。
原田・吉田組、メダルレースは7位、総合で8位となりました。
近藤・田畑組は、R-13はトップフィニッシュでしたが、総合で12位でした。
お疲れ様でした。


選手たちは次の日の早朝出発に備えて、いつものように休む間もなく帰り支度です。
いよいよ近藤・田畑組は8月初旬に開かれる、ロンドン五輪のテストイヴェント(プレオリ)に参戦のため、イギリス、ウエイマスに移動します。


現地レポート:塩澤朋子(フォトウエーブ)
写真撮影:添畑 薫(フォトウエーブ)

大会公式サイト:
http://www.openeuropeans2011.com/eventsites/results_euros.asp?eventid=65354

レース6日目。

朝からピーカン。『雨』という天気予報は見事に外れました。
しかし、風が無いというのは、またもや当たっています。
お馴染みのAP旗が風になびいて…、そんなわけありません。
風が無くてAP旗なのですから。

セイルロフトの一角に設けられた選手用のキャンティーン。
食事を取ったり、ミーティングしたりと選手たちには重宝な存在です。夕方にはここにケータリングの食事が並びます。
こういう陸待機の時は、特に賑わいます。

チーム・アビーム男子は日陰で情報交換。ヤードには人っ子ひとりいません。

レース艇置き場の隣りを見ると…
マリー・ジョーンズがいました。チーム・ニュージーランドやオラクルで大活躍のアメリカズカップセーラーですが、彼もオリンピック選手出身です。
今回、20歳の息子さんがクルーを務めるニュージーランド470クラスチームのコーチとして参加しています。
NZL206、19歳のスキッパーはユース出身、まだシルバーフリートですが「ブラジルまでには、仕上げる」とジョーンズ・コーチは言い切りました。

AC艇の30mは優に超すあの巨大マストやスプレッダーに変幻自在に登って、人気を集めていたマリー・ジョーンズですが、彼のようにアメリカズカップで活躍したセーラーがコーチや監督を務めるのは各国でも至極当然。
オーストラリアの英雄、ジョン・バートランド、ピーター・ギルモア、ジョン・カトラー、日本でも、チーム・ニュージーランドで解析を担当していた鹿取正信さんがチーム・ジャパンのマルチ・サポートスタッフとして活躍されています。

午後2時近く、AP旗が下ろされました。
昨日まで11レースを終えていますので、予定されたレースは残すところ1レースのみ。
「このまま風が無くて、後、1レースだからやらなくてもいいか…ってコミッティーが、思ったら、困るなあ」と心配していた田畑選手。

何としてもメダルレース出場は果たしたい。
しかし、最後までその力を発揮できず、不本意の18位に終わることに。
結果、総合12位でメダルレースは逸しました。

「今回、女子は不甲斐ない成績でしたが、次のレースは頑張ります!」と近藤選手。
まるで呪文のように一気に言い切りました。

昨日、その差僅かでメダル圏内にいた男子ですが、スタート後、第一上マークで待っていると、なかなか現れません。いくらなんでもと思っていると…、来ました。
オーストラリアチームやGBRチームの上位常連組と共に、最後尾近くにいたのです。
風が大きく振れたのです。

その差は、劇的には縮まらず29位でフィニッシュ。総合9位までに落ちてしまいました。
首の皮一枚で繋がったというところでしょうか。
こうなったら少しでも上位に食い込めるように、明日のメダルレースは果敢に挑んでいくしかありません。最終日、女子も順位決定レースがあります。
男女とも、ここで悔しい思いを払拭させてください。
忘れてはいけません、このスローガン。『がんばろう!!NIPPON』
頑張った、なでしこジャパン?!    
いつも『がんばる!チーム・アビーム』


レース海面の横でいつも練習している未来のオリンピックセイラー?!達です。


現地レポート:塩澤朋子(フォトウエーブ)
写真撮影:添畑 薫(フォトウエーブ)

大会公式サイト:
http://www.openeuropeans2011.com/eventsites/results_euros.asp?eventid=65354

大会5日目になりました。
余すところ4レース、その結果を踏まえて上位10位までのチームが、最終日のメダルレースに臨みます。
相変わらずコンディションはくるくる変わりますが、風はあります。風向210度。
午前中にはドックアウト。予定時間には本日の第1レース目がスタート。
気象予報で明日は雨で風が無くなるとのことです。
レースコミッティーは今日の内に3レースをこなしてしまい、明日は1レースできればいいかなという目論見のようです。

今大会の特徴がもう一つありました。
とにかくゼネラルリコール(スタートのやりなおし)が多い。
実感としては90%の確率です。コミッティーボートがエックス旗を掲げて 走ります。
はじき出されて「助かったーっ」という場合もありますが、成立した時にはタイミングを逸したということも、ままあるわけです。
当然ですが、毎回集中力を研ぎ澄まさなければならないのですから、強靭な精神力が必要ですね。


さて、今大会には普段「420クラス」でユースで活躍しているジュニアたちも果敢に470クラスに挑戦しています。
ジュニアのワールドチャンピオンもいます。頼もしいですね。
わがメディアボートのドライバー、「国際470クラス協会」のスタニスラフ会長によれば、「この子たちは、後2~3年もすれば充分ゴールドフリートで戦えるようになる。」と太鼓判を押します。
トップクラスの選手たちの中で試合が出来るとは、もしそれを彼らが聞いたら、どれほど大きな自信となることでしょう。
同会長によれば「『420クラス』を100%マスターすれば、後30%のことを覚えるだけで『470クラス』は充分乗りこなせる」というのです。
セーリングのことを話すと止まりません。冷静で情熱的ブルガリア人です。

原田/吉田組がジュリーに呼び出されました。
本船航路の中を走るときは、直角に横切ることという決まりがあります。
この規則を犯したと云うのですが、どうやらセイル・ナンバーの見間違いのようです。
「JPN・・・・」 実は日本チームは今や4桁の番号を掲げているのですが、これが紛らわしいことおびただしい。

1番違っても大変なことですが、これが結構様々な問題を引き出すことがあるのです。
結果、他の選手の証言などで、彼らはお咎め無し。
レースに出ると云うことは、試合だけでなく色々なこととも戦わなければならないのです。
ジュニアセーラー達も、これから沢山の試練が待っていることでしょう。
この屈託のない笑顔を見ていると、未来は明るい。心配は無用ですね。


原田・吉田組 1-1-4-38(OCS)-6-10-9-9-2-4-17  【63P】 総合4位
近藤・田畑組 4-15-4-44(OCS)-29-24-3-3-21-9-6 【118P】総合11位

原田/吉田組、3位との差3ポイントです。メダルまであと一息。

近藤/田畑組、順位を一つ落としました。メダルレースまであと一息。

現地レポート:塩澤朋子(フォトウエーブ)
写真撮影:添畑 薫(フォトウエーブ)

大会公式サイト:
http://www.openeuropeans2011.com/eventsites/results_euros.asp?eventid=65354


レース4日目。
夜半からの雨は午前中いっぱい続き、薄墨色の雲が割れて、真っ青な空が顔を出しました。
前線は通り過ぎなかなか良い風が入ってきました。13~20ノット。
まるで猫の目のように毎日変化するコンディション。大きく振れる風向、風は押し並べて弱くトリッキーな海面です。
てこずらされているのは選手ばかりではないようです。

レースコミッティの苦労は手に取るように分かるのですが、お世辞にも良いレース海面を用意したとは言えません。
岩礁や浅瀬だけでなく、もう一つの障害は大型船やフェリーの航路です。
狭い海面を何とか有効に設定しようと、ダブルループにしたりと、コース設定は至難の業。それでも大きく風が振れてしまうと、インナーループとアウターループが重なってしまい、「なんだ?!なんだ?!」ということに。
なかなかスーパーな運営とはいかないようです。
470クラスなどは、ユースの選手も参加していて、その風の振れなど何のその、上位集団の中を堂々と渡り合っています。流石、地元の強み。
冬は平均氷点下25度、1月2月は、この海も完全に凍ってしまうそうですから、たとえ暑くてやりきれなくても、風が弱くても、彼らにとっては最高に幸せな瞬間なのではないでしょうか。

470男子は、本日からゴールドフリートとシルバーフリートに分かれます。
上位から37艇がゴールド、チーム・アビーム原田・吉田組はもちろんのこと、他4チームの日本勢がエントリーしています。
原田・吉田組はカットレースで昨日6位まで浮上しましたが、大会4日目、8レース終えて7位になっています。
女子は今大会、10カ国43チームがエントリーしていますが、世界トップ10のチームの内7チームが参加しています。
言うまでもなく、近藤・田畑組も入っています。
近藤・田畑組、どうもこの風の振れとタイミングに翻弄されているのか苦戦していますが、レース7,8と復調の兆しを見せています。


原田・吉田組 1-1-4-38(OCS)-6-10-9-9   総合7位
近藤・田畑組 4-15-4-44(OCS)-29-24-3-3 総合10位


常に身体を整えておかなければならない彼らにとって、ジム付きのホテルは有難い。


現地レポート:塩澤朋子(フォトウエーブ)
写真撮影:添畑 薫(フォトウエーブ)

大会公式サイト:
http://www.openeuropeans2011.com/eventsites/results_euros.asp?eventid=65354

レース2日目。
風向220度、12~15ノットの風。
微風から軽風に、今日は、470セーラーにばかりでなく、
どのクラスの選手にとっても素晴らしいレース・コンディションとなりました。
運営側もスケジュール通りに、さくさくと進行していくので、
思わず「昨日よりはましよね…」と本音を漏らします。


風が弱いということ以外にも、運営側が頭を悩ませることがまだあります。
多島海のヘルシンキ湾は浅瀬や岩礁が多いのです。
レースコースの設定も然り。一応、コーション・ポールは
立っているのですが、水の透明度がすこぶる悪い(豊かな海の証拠ではありますが)ので、非常に危険です。
練習中に座礁してレース艇にダメージを与えてしまったというチームがかなりいるくらいです。
メディアボートのドライバーも細心の注意を払わなければなりません。
という訳で、我々のボートのドライバーは国際470協会の『スタニスラフ会長』が買って出てくれました。

このスタニスラフ会長と、とても仲の良い、オーストラリアチームの監督、ビクター・コヴァレンコさん。北京五輪では男女ともメダルを獲得させた敏腕コーチです。日本セーリング連盟が差し上げた「東日本応援フラグ」をずっとコーチボートにつけてくれています。「ありがとう、コヴァレンコさん!」、すると「当たり前だよ。日本は友達だからね」とにっこり。日本への滞在も数回。心底心配してくれています。

そのコヴアレンコさんの秘蔵っ子ベルチャー/ペイジ組と同点首位を争っている、アビーム男子、原田・吉田組。この2チームが今後のレースを面白くさせてくれるような予感がしてたのですが、原田・吉田組、4レース目痛恨のOCS。38ポイントを受け一気に16位に。

本人たちにとっては身に覚えが無い納得のいかない裁定だったようです。
これは悔しい。
しかしここで留まっているわけにはいきません。
明日からの試合はいうまでもなく、1ポイントも落とすことが出来ませんが、逆境こそ、最強の応援団長です。


豪華客船クィーン・エリザベス号を背景にしたレース中の写真を撮らせてくれた女子、近藤・田畑組。「何のことですか?!」と当の本人たちは全く気づいていなかったという驚きの集中力を見せる彼女たちですが…。
不運のOCSが襲いました。4レース目のことでした。


今日は日曜日、レースコースに向かう途中のヌーディストビーチ(丘ですが)の人々も一段と数を増して、行き交う選手たちに声援を送ります。
こういう風景を見ていると、やっぱり世界は広いなと感心してしまうのです。
予報によりますと、明日は又風の無い1日になりそうです。
「明日も長い一日になりそうですね」と原田選手。
ちっとも悲観的でないところが彼の素晴らしいところです。

頑張っている人たちに「頑張って!」と言いません。
でも「Stay strong,keeping hope」
これからです。
原田・吉田組 1-1-4-38(OCS) 総合16位
近藤・田畑組 3-15-4-44(OCS)総合12位


現地レポート:塩澤朋子(フォトウエーブ)
写真撮影:添畑 薫(フォトウエーブ)

原田・吉田組、1-1で好調スタート!

朝から真っ青な空が広がります。
ですが、風は全くありません。
気温はどんどん上がっていきます。この暑さからは逃げようがありません。
このトロピカルな気候はどこから来るのでしょうか。
冬は雪深く、1年の70%は寒い日々だというフィンランド、ヘルシンキですから。
奇跡のような夏到来。

470クラス、予定のスタート時刻を過ぎても、風はそよっとも来ません。
現地のスタッフに聞くと、ヘルシンキの海は潮の干満もなければ
潮流もないそうです。
ないないづくしで風も無い。とにかくフラットな海面です。

ただひたすら待つのみ。これも修行の内?!
修行なんか要りません。ただただ風が吹いてほしい…。

近藤選手、田畑選手はメディアセンターに続くドアの前で待機していたので
ジャーナリストたちの格好の餌食に。
彼女たちは人気ものですから。

待つこと数時間、午後4時過ぎてからでしょうか、木々の葉が揺れ始めました。
4時半スタート。風は南寄りで4~5m、後に5~7mまで上がり、いい風になりました。
男子はレッドとイエローの2組に分かれてインナーループ。
女子はアウターループで、2戦ずつ行われました。

待った甲斐があったというか、辛抱強く待った470クラスのセーラーに御褒美でしょうか。
優雅な豪華客船『クイーン・エリザベス号』が、ドックアウト。
レースコースの横をすり抜けていきます。
流石、大型客船が行き交うヘルシンキ湾。こんな構図は見たことがありません。
「クイーン・エリザベス号』とレース中の470ディンギー、
これ、決して合成ではありませんよ。

全てのレースが終了したのは午後9時半過ぎ。長ーい一日でした。
でもまだ、早い夕方のような明るさです。

原田・吉田組 1-1=1位
近藤・田畑組 3-15=7位


現地レポート:塩澤朋子(フォトウエーブ)
写真撮影:添畑 薫(フォトウエーブ)

『2011ヨーロッパ選手権』大会が開幕です。
北緯60度のオリンピック所縁の地、フィンランド・ヘルシンキにオリンピッククラスが一堂に会し、シーズン最後の試合に挑みます。
チーム・アビームにとっても、ヨーロッパ遠征の締めくくりとなるレースとなりました。

470男子は33カ国、85艇の参加、そのうち6艇が日本チームです。
470女子は22カ国、47艇が参加です。日本チームは2艇。
今大会日本からは5種目12艇がエントリーしていますが、何とそのうち8艇が470クラスです。
しかし、49er級、スタークラスそしてレーザー級も孤軍奮闘、負けじと頑張っているのです。
(スタークラスは鈴木・和田組が3位獲得!表彰台に上がりました!おめでとうございます!)

    
計測も近頃では簡易に済ませる大会もありますが、ここではしっかりと審査されます。
「さあ、やるぞ!」という選手たちの意気込みがヤードに充満しています。

ここが北緯60度?!日本最北の町、稚内よりも北に位置しているとは思えません。
確かに森の木々はもみの木や針葉樹が多く、もっと北の郊外に行くと、トナカイに会えるそうですが。

夏の平均温度は摂氏20度足らずと聞いていましたが、28度近くまで上がる日もあり、
風もあまりないので、陽が射す昼間は木陰が欲しくなるほど、夏らしい気候が続きます。

午前中は特にセーリングには厳しい状況です。
とはいえ、多島海のヘルシンキ湾、湾内に300以上の島が点在しているのですが、島影を見渡せば無数のヨット、ボートが停泊しています。
確かにセーリングが盛んなんだな、と思わせます。これだけの海に囲まれているのです。
短い夏を思いっきり海を満喫したくなるのは当然でしょう。
港にはひっきりなしに大型客船が入港。おびただしい数の観光客が街に繰り出します。

歴史的な建築物、特に教会が目立ちます。

選手たちは自転車で足を確保、宿舎との往復には勿論、練習の合間の散策にと活用します。
トレーニングとはまた違った楽しみが見つかったりします。

470クラスのレースは9日土曜日からスタートです。

現地レポート:塩澤朋子(フォトウエーブ)
写真撮影:添畑 薫(フォトウエーブ)