スカンジア セールフォーゴールド レガッタ 2010 (イギリス・ウエイマス) 8月14日 大会最終日
2010年08月16日 | コーチの声
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朝から降り出した雨も11時には止み、風速4.5から5.5メートル、風向335度、時折360度の風も入るシフトの多いコンデションになりました。11時30分に女子のメダルレースが開始しました。ポートランドの防波堤の内側に作られたコースでおこなわれたのですが、今日の風は、ウエイマスの住宅地となっている丘を越えて吹いて来るので、どうしても変化が多くなります
昨年は、2位と1点差の首位でメダルレースを迎えました。結果は9位、トータルで4位となり、3位には1点届かず、惜しくも表彰台を逃しました。今年も首位でメダルレースに進出したのですが、2位のアメリカとの差は9点、その他は大きく離れており、状況は昨年と全く違っています。
スタート前にアメリカがマッチレース的に仕掛けてきました。6月に一時帰国した際、葉山沖でマッチレースのトレーニングをした効果がここであらわれました。動揺することなく落ち着いて対処しました。クイックな動きができる470級では、スタートにおいて、マッチレーステクニックを駆使しても相手を封じ込めることはできません。効果があるとしたら心理的なプレッシャーを与えるだけで、マッチレーステクニックの素養がある者にとっては、「私はあなたと僅差でこのレースを迎えました。よろしく!」の挨拶程度でしかありません。
スタートは、本部船寄りの3番手、オランダ艇とアメリカ艇の間に位置し、オランダが若干前に出てスタートをしました。始めにアメリカが苦しくなってタッキング、続いてこれを追う形で近藤・田畑組がタッキングをしました。アメリカの近くにいて4艇以上離れなければ、問題無く勝てるレースですから、戦法としては間違っていません。
コースの約3分の1を走ったところで、左に伸ばした艇が先行し、ポートタックになってコース中央に寄せてきました。それを受けて、ほぼ全艇がポートタックになった時、近藤・田畑組の一艇だけが、逆のスターボードタックでそれらの後方を通過し、左海面に出て行きました。海面を右から左に横切ったのですが、フリートレースのタクティクスとしてはセオリーに反します。この時は肝を冷やしました。このコース取りは、限りなくビリになる可能性があるからです。
女子の前に行われた男子のレースで、この海面を良く知っているイギリスの2艇は、最初から左海面を狙い、そのうちの1艇がトップフィニッシュしました。女子のイギリス艇も同じく左狙いでした。レース前は気象関係の話や男子のレースを見ていた私の報告も含め、色々と情報が与えられます。しかし、私は朝の時点で「情報にこだわってはいけない。試走して、またレースしながら得る自分の情報に基づき、あくまでも自分の目で見て判断すべきである。柔軟に対応するように!」と指示していました。左海面に到達する間、最悪の見え方をしていましたが、好運にも助けられました。左で良いパフを拾って、風上マークをなんとか9位で回航しました。
ランニングで6位に上がり、続く2回目のクローズホールドは、ほぼ全艇が左に伸ばしました。コースの半分まで、その流れについて行った、近藤・田畑組でしたが、右から良いパフが入ってくることを確認し、右に2回、風を取りに行きました。それらは、それぞれ成功し、第2風上マークで一気に3位に浮上しました。最後のランニングは、風が右(北方向)に振れた一本コースとなり、危なげなく、3位でフィニッシュし、優勝が確定しました。
今年に入って、近藤・田畑組のISAFグレード1の表彰台は2度目です。コンビを組んでから(1年5カ月)は、4回目となります。さらに近藤選手は、今回を含め、参加したオリンピックのプレ・イベントの成績は、チンタオ2位、昨年のウエイマス4位、今年優勝と良い成績を残しています。オリンピック本番に向け、ここでは詳しく申し上げられませんが、今年3月からのヨーロッパ遠征(7試合出場)で見えてきた課題に取り組み、来年、ヨーロッパにきてインターナショナルの選手と手合わせする時には、さらにバージョンアップした姿を見せてほしいと思っています。
今年の遠征結果は次の通りです。(近藤・田畑組)
- プリンセスソフィア(スペイン) 7位
- スプリングカップ(フランス・男女混合) 12位
- イエール(フランス) 5位
- ガルダオリンピックウイーク(イタリア) 優勝
- デルタロイド(オランダ)6位、世界選手権(オランダ) 6位
- セールフォーゴールド(イギリス・ウエイマス) 優勝
勝てる時に、きちっと勝つというのは、簡単そうで難しく、そして、どんなレースでも大切です。近藤・田畑組に「おめでとう!」の言葉を送りたいと思います。
最後になりますが、いつもこの原稿を現地時間、朝3時頃から書き始め、宿を出るまでになんとか書きあげて送ります。送った後、あらためて読みかえすと、「提出前に、なぜもう少し、読み返さなかったのか」と強い自己嫌悪感が襲ってきます。簡潔とはほど遠い文章、推敲不足の文章、誤字脱字だらけの文章を提出していることを恥ずかしく思います。お読みいただいている皆様にお詫び申し上げ、報告を終わります。

写真:添畑薫/PHOTOWAVE
