2010年 ガルダ・オリンピックウイーク 大会報告 5月15日 大会最終日

小松 一憲

薄日の差す曇り空、男子の終了後、11時17分、風向0±15度、風速4から5メートルのコンデションで、女子のメダルレースがスタートしました。スタートラインは175メートルと長く、風上マークは右にずれ、ヨット乗り用語で言うところのポートロングのコースとなっていました。経験あるレースコミッティーがどうしてこのようなスタートラインとコースでレースをおこなうのでしょう、不思議に思うかもしれません。北の風で風向が非常に不安定だったということもあるのですが、実はガルダ湖の水深に問題があります。最大水深はなんと346メートル、レースエリアにいくつもの小さなマーク(白いポリタンク)があらかじめセットされていて、そのロープに大きなブイを取り付けてコースを作ります。4ミリぐらいのロープを使いアンカーの代わりにコンクリートのブロックが付けられていると聞きました。位置の調節は、マークであればロープごと引きずり、本部船の場合はロープを足したり、引いたりしておこないます。しかし、普段吹かない風向(珍しい風向)や普段使わないマークの距離に対応することは非常に困難で、今日のように偏ったコースになってしまうのは仕方ないのかもしれません。昨日までのレースも、35艇の出走数に対し、440メートルという大変長いスタートラインでおこなわれていました。470級であれば艇数×5メートル、おおよそ175メートルというのが一般的な長さと言えます。

風が15度振れてアウトサイドリミットマーク有利のスターラインに、左から昨日までの成績で2位のイタリア、3位の吉迫・大熊組、1位の近藤・田畑組の順で並びました。スタート号砲後、全艇がすぐにタッキングし、ポートタックになりました。吉迫・大熊組及びイタリアに比べ若干スピードで勝っていたよう見えました。前に出て行く近藤・田畑組の走りを見て、私は二人の優勝を確信しました。吉迫・大熊組とは13点、イタリアとは10点の点差を持って臨んだこのメダルレースですから、この2艇と一緒に走りさえすれば勝てる計算でした。風上マークをトップで回航し、その後もマークチェンジはおこなわれず、「かた振れ」のままでしたからイージーなレースとなりました。同じ日本選手には負けられない、今年に入って2連敗のイタリアの前をなんとしても走りたいという意地も感じられ、危なげなく最後までトップをキープしてフィニッシュしました。吉迫・大熊組もイタリアを逆転し1点差で2位となりました。

簡素な表彰式でしたが、表彰台に上った近藤・田畑組の顔は晴れやかでした。同じく銀メダルを首にかけて並ぶ吉迫・大熊組の二人もいい笑顔をしていました。これからも、この2チームは、よきライバルとして切磋琢磨し、高いレベルでの好勝負を期待したいと思います。

どんなレベルのレースでも、きっちり勝つことが重要で、簡単ではありません。その意味で「おめでとう!」の言葉を二人にかけてあげたいと思います。ただし、今回、競り合ったイタリアは、これまで使っていたセールをチェンジし、新しいセールをテストしていた節があります。侮るようなことは微塵もあってはなりません。今日が終わり明日の朝を迎えたら、気持ちを切り替え、また一歩一歩前進あるのみです。これよりドイツに向かい、男子のボートを修理し、四日後にはオランダでの練習を開始します。

フィニッシュまであと300メートル、ウイニングランの近藤・田畑組。いつの日か4人そろって金メダル・・・、悲喜こもごもの笑顔です。二人を祝ってくれたのでしょうか、穏やかな表情を見せるガルダ湖を背景に記念写真を撮りました。二枚を添付し、報告を終わります。