2010年 ガルダ・オリンピックウイーク 大会報告 5月15日 大会4日
2010年05月16日 | コーチの声
この時期の天気の悪い日、湖上の気温は、山の裾野と湖岸の新緑が無ければ冬と錯覚するかもしれません。今日は曇り空の中で3レースが行われました。昨日、着岸時のトラブルで船腹を破損した原田・吉田組はレースを断念し、コーチボートで観戦しました。
第1レース、10時48分、風向、0±10度、風速、5から6.5メートル、今大会、初めての北の風でした。左に10度振れ、アウトサイドリミットマークサイドが極端に有利な状態で始まったのですが、AP旗が上がり、ラインが修正されました。11時00分、再開したスタートで、ほぼ全艇が30秒以内にタッキングし、ポートタックになりました。近藤・田畑組はスタートラインの3分の1、アウトサイドリミット寄りに並んだ艇団の右はじにポジションを取り、スタートしました。左に振れた風がなかなか戻らず、右を我慢して伸ばしました。アウトサイドリミットマーク寄りから出たグループには良い風が入り、近藤・田畑組はフレッシュウインドをつかんではいましたが苦しい位置関係が続きました。第1風上マークの回航は23位、回航後、サイドマークに向かって真っすぐ走り、風上に膨らんだ艇団に追いつきました。サイドマークを18位で回航し、次のランニングもスターボードタックを伸ばして2艇を抜き、2回目のクローズホールドではさらにジャンプアップして8位にあがりました。ランニングのコースの4分の1を走ったところで、風が一気に180度変わり、4から5メートルの風が前から吹いてきました。スピンを下していきなりトラピーズに乗りはじめました。時間は11時30分を少し回っていたでしょうか、ガルダ湖らしい劇的な変化です。このレース、8位でフィニッシュしました。
第2レース、195度で作り直されたコースで12時29分にスタートしました。風速は5から6.5メートル、いつもの南の風のレースになりました。アウトサイドリミットマーク寄り、1番手で出て、5秒後にタッキングし、右に展開しました。近藤・田畑組のこの戦法は、曇り空、南の風の吹き始め、アウトサイドリミットマークが有利なスタートライン、そのような条件でのセオリーかもしれません。スタートラインの傾きを無視し、本部船横から出て右の崖を目指すコース取りよりも、この選択のほうが正しいと思われます。風上マークを4位で回航し、その後、大きな変化は無く、第1風下マーク3位、第2風上マーク4位、フィニッシュ4位となりました。
第3レース、アウトサイドリミットマーク有利だった1回目のスタートでAP旗が掲揚され、スタートラインの角度が修正された後、2回目、13時42分にスタートしました。195±10度、風速6から7メートル、晴れている日に比べて、風は吹きあがりません。とは言え、いつものパターンで、時間の経過とともに右に少し振れ、平均で1~2メートル上がってきました。スタートラインが修正されたこと、南の風が吹き出してから時間が経過していること、第2レースのスタートとスタートラインが修正される前のイメージが多くの選手に残っていて各艇はライン上に散らばり、本部船横もそれほどの混雑はない、それら、もろもろを考えてのことでしょう、イタリアのエース、ガブリオ・ザンドナ選手は本部船横を狙いに来ました。当然、コースも右の崖方向狙いです。そしてその狙い通り、第1風上マークをトップで回航しました。近藤・田畑組は本部船寄り、9番でスタートし、15秒後にタッキングして右に伸ばしました。悪くないスタートでしたが、スピードで競り負けた男子の1艇に風上を突破され、乱れた風を受けながらの右伸ばしとなりました。第1風上マークは9位で回航しました。その後第2風上マークで11位、ランニングで12位に落ちフィニッシュしました。
今日の3レース、女子だけでカウントをすると2・1・2位となり、トータルでトップ、2位にいる世界ランキングトップのイタリアとは10点の差です。明日のメダルレースで決着がつくでしょう。原田・吉田組は3レース出走しなくても10位の成績がつきました。これで、メダルレースに出場する権利を得ましたが明日も欠場し、コーチボートから観戦します。
今回のレースは、トップレベルの男子選手がイタリアとアルゼンチンの2艇、女子はイタリア1艇だけしか参加していません。近藤・田畑組及び原田・吉田組の順位は、今年に入っての戦績からすれば順当なところです。ただ、近藤・田畑組は、今年2回手合わせして負けているイタリアに、ぜひ勝つべきです。男子もそれぞれ2敗していた彼らに勝ってほしいところでした。レースを終えた原田・吉田組ですが、スタートからフィニッシュまでの「レースの進め方」と言うのか、「レースの組み立て方」と言えば良いのか、それらをコーチボートから見て比較するとアルゼンチンには「落ち着き」、「セオリー通りに走る」、「状況判断の的確さ」という点で、イタリアには「攻める」、「徹底する」という言葉で表現されるところで負けていたと思います。この2艇との競り合いに勝つところを何度か見せてくれた原田・吉田組に「1レース1レース、一場面一場面をしっかり記憶に留め、新たに作った引き出しを、すぐ使えるようにしておいてほしい」と言葉をかけたいと思います。
