2010年 ガルダ・オリンピックウイーク 大会報告 5月13日 大会3日

小松 一憲

今日は、スタート予定時間、10時30分ぴったりにレースが開始されました。9時を過ぎて南から2メートル弱の風が吹きだし、スタートする頃には180±10度、6.5から8.5メートルのコンデションになりました。第2レース、11時35分、第3レース、12時40分、第3レース、13時39分、レースは一時間の間隔で立て続けにおこなわれました。

第1レースは、両艇共にスタートラインの真ん中から出て少し走り、タッキングをして右の崖方向に伸ばしました。スタート後、ほぼ全艇が同じ動きをし、右へ展開しました。岸に近づくにつれ徐々に風向が右に振れていき風速も上がってきます。右に風が振れていくことで、平行に並んでいた艇が前に出る形となり、ホープレスになって我慢できなくなった艇が左に返してきます。この流れについて行き、そこで生き残り、崖の際にたどりついた順に風上マークを回航することになります。ただし、崖の際は断続的に風が入る為、やみくもに近づくのではなく、風が入っている時とそうでない時を見極め、近づく判断をします。2艇共に、この流れについて行けず、ホープレスを嫌って左に出したのですが、出した分だけ風上マークの回航が遅れました。20位から25位の間で回航したのですが、その後、落ち着いたコース取りで順位を挽回し、原田・吉田組8位、近藤・田畑組11でフィニッシュしました。

第2レース、8から9メートルあった風が、第2風上のレグ(アウター)の風上マーク300メートル付近で一時2メートルにまで落ちました。それまで15位ぐらいを走っていた近藤・田畑組及び原田・吉田組がしっかり風のある所を走り、さらに風向変化をうまくとらえて2位と4位に浮上し、その順位を守ってフィニッシュしました。

第3レース、スタート時点の風は15度ほど左に振れていました。それでも近藤・田畑組は崖に早く近づくことのできる本部船横からのスタートを選択しました。風の振れは一時的なもので、右の崖沿いに次の風が入っていると判断したことも、その理由にあげられるでしょう。原田・吉田組はリミットサイド横から出ました。申し合わせたかのように全艇がスタート直後にタッキングし、ポートタックになりました。風が右に振れ戻る前まで、原田・吉田組のポジションはトップだったかもしれません。数分後、風は、やはり右に振れてきました。近藤・田畑組が第1風上マークを4位で回航したのに対し、原田・吉田組20位と明暗を分けました。その後の走りで挽回し、フィニッシュは7位、近藤・田畑組は5位でした。

第4レース、風向205±10度、風速8.5から11メートルと風は右に振れて上がってきました。大集団になった本部船横から出遅れて出て行き、右に展開した近藤・田畑組は第1風上マークを10位で回航しました。一方、原田・吉田組は、本部船横10番手ぐらいに並びました。その付近からリコール艇が出たのですが、出過ぎと判断して少し引いてのスタートとなりました。逃げのタッキングをしたところまっでは、狙う位置が悪かった普通の失敗スタートでした。しかし、次に1艇のスターボードタック艇を避けた後、続く2艇目も無理せずに避ければよかったのですが、前を通れると判断した為に軽微だったようですが接触してしまいました。昨日同様、スタートライン上で、しかも風速が上がってきた中で720度ターンのぺナルルティー解消をおこないました。それを終わった時には、一艇のみ取り残されていました。それでもフィニッシュまで8位に上がっていけたのですから、そこでの無理が悔やまれてなりません。近藤・田畑組は12位でフィニッシュしました。

第3レースが終わる頃からか風速が上がってきました。風速は12メートルを超し、着岸する頃には15から18メートルまで上がっていたと思われます。原田・吉田組はスロープに着岸し、自分達の船台を用意しようとしたわずかの間に、幅の狭いスロープに半分水没していた49er級の船台があり、艇をぶつけてしまいました。スターボードサイド後方船腹に穴が開く、大きなダメージになりました。応急処置を施し、明日のレースに間に合わすというレベルではありません。修理を依頼するにしても週末です。また、デリケートなレース艇を託せる良い所は、近くにありません。私は、明日からの彼等のレースのリタイヤーを選択しました。1300キロ離れていますが、昨年、近藤選手が修理をしてもらった腕の良いボートビルダーがドイツのキールにあります。さっそく次のオランダでのレースに間に合うよう連絡を取りました。

今日までのトータルで近藤・田畑組が1位、原田・吉田組は3位になりました。「良くやっている」と言えるでしょう。しかし、私のコメントは辛口になり、特に近頃、選手の試合内容の報告も良かったことより失敗の記述のほうが多くなりました。しかし、選手は頑張って、上手に試合しているからこの成績なのであって、失敗ばかりしているわけではありません。正直なところ、私の報告は偏ってしまっていると反省しています。心躍る、楽しい話のほうが興味を持って読んでもらえるのは言うまでもありません。チームの雰囲気が悪るいわけではありません。坦々と日々を過ごし、練習と試合に明け暮れ、その中で楽しいことも、皆で大笑いすることもあります。選手の変化ではなく、私が変化したのでしょう。選手のレベルが上がってきていることを実感している私は、頂点を目指し、視点をそこに置くあまり、成長を辛抱強く待つと言いながら、あってはならない焦燥感を漂わせてしまっているのかもしれません。もしそうだとしたら本当に反省します。そして選手に「申し訳ない」と謝りたいと思います。
私の若い時に比べれば、何倍もまじめに取り組み、持っているポテンシャルも何倍も上であるという点に過剰に期待してしまっているのでしょう、それもこれも本当に申し訳ないと思います。

15メートルオーバーの風が吹いてくる5分前、南の空と、風を呼んでいる北の青空、ガルダ湖の写真を添付します。