2010年 ガルダ・オリンピックウイーク 大会報告 5月12日 大会初日

小松 一憲
今日から16日までの日程でガルダのオリンピックウイークが始まりました。フランスからここに来て1週間がたちますが、はっきりしない天気が続いています。今日も雨が降ったり止んだりで、風が弱いうえに方向も定まらず、レースは初日から延期となりました。

ガルダ湖はアルプスから注ぎ込む冷たい水を豊富に湛えています。日が高くなるにつれ、湖の遥か北に連なる2000メートル級の山の岩肌が温まり、湖水との温度差によってできた風が南から北に向かって吹き込みます。湖の北部は、ラッパのように細くなり、側面に高さ1000メートルを超すと思われる崖と山頂に残雪の残る山がせまり、そこで収束される風は、強く安定して吹くと定評があります。しかし、山が連なる北方向の天気が悪いと、湖がたとえ晴れていても風は強くなりません。今回のように、北イタリア一帯が広い範囲に渡って天気が悪いとなればなおさらのことです。

470級の参加は男子23、女子12、合わせて35艇(10カ国)とさみしい数になりました。フランス・イエールとオランダ・メデンブリックで開催されるISAFグレード1の大会との間におこなわれるグレード2の大会ということで、参加艇数はもともと多くありません。ただ、同じグレード2の大会でも男女合わせて100艇前後が集まるスペイン・マヨルカの例もあります。海で行われることの多いセーリング競技ですが、湖で行われることは特別珍しくありません。しかし、ガルダ湖は前述の通り特異な場所です。ここ以外ではあまり使うことの無いレーシングテクニックを必要とします。参加定数の増えない理由に開催時期の問題もありますが、この特異性が敬遠されているのかもしれません。「何度も行かなくてもよい所」ということなのでしょう。

ローマ時代から続く保養地、ガルダ湖、遠くに残雪を頂いた山々、穏やかな新緑の東岸とは対照的に、西岸は湖面から険しく立ち上がる石灰岩の高い崖、自然の織りなすその美しさに魅了されます。しかしここは、武者修行で言えば、「特異な使い手との勝負の地」、レーシングテクニックの引き出しを多くする絶好のチャンスととらえ、しっかり戦ってくれることを期待します。明日は、11時スタートの予定を2時間早めるとのこと、「何とかレースを・・・」というコミッティーの熱意が伝わってきます。