2010年 イエールオリンピックウイーク (フランス・イエール) 報告 4月28日 大会4日
2010年04月30日 | コーチの声
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報告の書き出しも毎日判で押したような文章になってきました。現在フランスを覆っている高気圧に変化が無い限り、これからもずっと同じ天気、そして同じ風の吹き方が続くでしょう。
男子は今日、1レースをおこなった後、一旦ハーバーに戻り、4レースのトータルで成績を出し、ゴールドとシルバーの二つのフリートに分けられました。4レース以降は決勝のレースとなります。一方、女子は1フリートなので、そのままレースは続行され、今日、3レースがおこなわれました。
11時20分まで陸上で待機し、13時03分、風速2・5から3メートル、風向145度、2回目にブラックフラッグが掲揚され、原田・吉田組の男子ブルーリボングループがスタートしました。4レース目となるこのレースで、日本の男子3チームは、初めて同じグループで戦いました。原田・吉田組は、アウトサイドリミット寄りの4番手を狙ってスタートしたのですが、スタート直前の動作をロッキングと判定され、720度回転のペナルティーを課せられました。大きく集団から取り残されてのスタートとなりました。
見逃してしまったのですが、本部船寄りから出たと思われる松永・今村組は、スタートもコース取りも、そしてスピードも良かったのでしょう、ダントツで第1風上マークを回航し、トップを最後まで守り、フィニッシュしました。
原田・吉田組の第1風上マーク回航は、30番後半でした。その後、少しづつ順位を上げていき、自分達の前にブラックフラッグの失格の艇がいたこともあって、10位の成績がつきました。順位を上げたことは評価できるのですが、スタート時の動作を反則と判定され、それが、これからのスタートに悪影響を及ぼさなければよいと心配します。
男子に続いてスタートした近藤・田畑組は、本部船寄りの7番手から出て、左に伸ばしました。スタートする時にはアウトサイドリミットマークサイドが有利に風向が変化し、さらに、本部船から少し離れた位置で出た近藤・田畑組は凹んでいたかもしれません。左の奥まで伸ばしたこともマイナスになりました。いずれにしてもアウトサイドリミットマーク寄りから出てタッキングし、右に伸ばした艇が良い角度の風をつかんで第1風上マークを回航しました。近藤・田畑組の回航は20番後半でした。サイドマークに行くリーチングのコースでも順位を落としました。最後のランニングで前を行く多くの艇が、コースの西方向に角度を取って走っているところへ、西に振れた風が沖から吹いてきました。これが、東サイドにいた近藤・田畑組と吉迫・大熊組の後続集団に有利に働き、一気に順位を上げることができました。8位のフィニッシュは、ラッキーだったと言えます。
女子の第2レースは、男子が一旦、陸上に戻っている間におこなわれました。風向245度、風速3から3.5メートル、一回のゼネラルリコールの後、16時52分ブラックフラッグでスタートしました。スタートラインの中央、艇団の真ん中に並びました。しかしその位置は凹んでいました。しかも風下の艇に前に出られる典型的な失敗スタートでした。4回のタッキングでフレッシュウインドをつかみ、左に伸ばしました。走りが良かったのでしょう、スタート時の劣勢をコース半ばで取り戻していました。しかし、その後、風上マークに近くなるに従い、タッキングの頻度が多くなりました。これは、コースの中央で展開している時に良く見られるタクティクスミスの一つです。どこかで「肉を切らして骨を切る」、すなわち、艇団を横切って次に良い風が期待できるサイドの風上に、思い切って出て行くべきなのです。と言っても、オーバーセールをして良いということではありません。私は、大げさに艇団と表現しましたが、わずか数艇であるケースがほとんどです。近藤・田畑組の風上回航は、14位、フィニッシュは12位で、前に入った艇にブラックフラッグの失格艇がいたので10位の成績がつきました。
18時06分に男子のゴールドフリートのレースが開始しました。原田・吉田組は、本部船寄り15艇の位置から出たのですが、すぐにはじき落とされ、タッキングをして逃げました。計3回のタッキングの後、フレッシュウインドをつかみ、左に伸ばしました。その走りを後ろから見ていたのですが、良い走りをしているように見受けられ、風上マークは、そこそこの順位で回航するのではないかと思っていました。ところが20位前後と予想外でした。後から聞けば、前述の近藤・田畑組同様、タッキングの回数が必要以上に多くなってしまったとのこと、スタートの出遅れと共に考えなくてはいけないところでしょう。フィニッシュは16位でしたが、このレースも失格艇があり14位になりました。
女子の3レース目は18時22分、一回のゼネラルリコールの後、ブラックフラッグのスタートとなりました。本部船横ではじき出され、入るところが無く、最後の最後に空いた本部線横のギリギリのスペースから3秒ほど遅れて出て行きました。すぐにタッキングできたのですが、この時すでに風は左に振れ始めていました。1分走ったところでスロベニア艇に風上突破されたのを嫌い、タッキングをして左に伸ばして行きました。左の奥まで行く間に自分達の後方を通った艇はわずか数艇、それでも後から聞けば、左に出して生き返ったということでした。正直に言うと、私は第1風上マークの回航を確認に行く元気が出ませんでした。風下から双眼鏡を使って見たのですが、20位前後だったのではないでしょうか。フィニッシュは16位でした。
右を狙えば左、左を狙えば右、レースでは良くあることで「ついていない」という言葉で片付けてしまえば簡単ですが、進歩がありません。イエールの470級のエリアのコースコミッティーは、20代と思われる若い女性です。見ていると一所懸命に風見を使って風向をチェックしています。スタートラインのアウトサイドリミットマークとなるボートには45歳以上と思われる男女3名が乗り、各マークの設置もそれぞれ2名が乗る2艇のボートで、作業は迅速に行われます。風向変化に几帳面に対応しようとする姿に好感が持てる、そのチーフの女性が決めたコースに対し、振幅と周期をもって吹く風の、どの状態でスタートし、レースをしているのかということを、レース前もレース中も休みなく考えていなくてはいけません。加えて、雲の動きに代表される空の模様、海に浮かぶヨット、海の色、そしてなんと言っても前にスタートして行ったグループを観察することが必要でしょう。天気予報も忘れてはいけません。まだまだあります、このイエールに来て2週間になろうとしますが、ここでの練習中に経験したことも参考にすべきで、さらには自分の小さい時から経験もその中に入るでしょう。
大変長くなってしまいました。今日の戦いぶりを見て、ここで私一人が悔しがったり、嘆いてもどうにもならないと解っているのですが、情けない気分になるのは、まだまだ私も修養が足りないということでしょう。
レースは終わったわけではなく、あと2日あります。ただ成長を気長に待つだけではなく、対策を考え、何をどのように伝えるか、どのような練習をすればよいのか、「賢く強い」チームを作りを目指して・・・「何をごちゃごちゃ言ってるんだ!一所懸命考えるのはお前の仕事だろう!」と、笑う声があちらこちらから聞こえてくる気がします。
