2010年 スプリングカップ(マルセイユ) 報告 4月16日 大会3日
2010年04月18日 | コーチの声
![]()
空は、このところすっかり見慣れてしまった青空。海は早い時間から凪いでいたので、シーブリーズも早々に吹いてくるのではないかと期待されました。しかし、結局のところ12時30分まで陸上で風待ちし、マルセイユの湾口から、そよそよと吹いてきた南西の風の中を出艇しました。
第1レースは、13時30分から始まりました。風速4.5から5.5メートル、風向270度、初日の第1レースによく似た、安定したコンデションでした。日程が詰まってきたせいでしょうか、1回のゼネラルリコールの後、すぐにブラックフラックが掲揚されました。2回のブラックフラッグのゼネラルリコールで計10艇が失格となり、4回目でようやくスタートしました。
原田・吉田組は、最初のブラックフラックのスタートで、アウトサイドリミットマーク寄り4番手に位置し、風下に並んだニュージーランド艇とポジション争いをしてラインをオーバーしたのでしょう、争ったニュージーランドと共に失格しました。ニュージーランド男子は若いチームです。昨日のレースでは、原田・吉田組が作っていた風下のスペースにもぐりこみ、強気に出て行ってトップをとりました。これからヨーロッパの試合で何度も顔を合わせることになります。血の気の多い相手をおとなしくさせる為に、失格のリスクは大きいのですが、今日のようなことは一度は必要でしょう。トップ選手の中に「原田・吉田組のそばに寄るのは危険だ」と認識させることができれば、今後のレースが楽になるのは確かです。ただし、理想は「危険なチーム」では無く、オリンピック4大会連続金メダル、かつてヨットの神様と言われた「ポール・エルブストローム」がその代表でしょうが、「強いチーム」、「近づきがたいチーム」と表現されるようなオーラが出るチームに早くなることでしょう。
近藤・田畑組はアウトサイドリミットマーク寄りの4番手で、まずまずのスタートをしました。いつもこのような「普通」のスタートができれば良いのです。風の振れに対しての対処も良く、フレッシュウインドをつかみ続け、左海面を使って上手に第1風上マークに寄せて行きました。空の雲は、右海面に有利な風が吹いていることを示していました。しかし、走りの良さも手伝って4位で回航しました。リーチングのコースに入ってスピンを上げるタイミングを間違えました。あと10メートル、風上に出て行き、後続艇の作るラインでスピンを上げるべきでした。サイドマークを8位で回航、風下マーク7位、第2風上マークは再び4位、第2風下マーク直前で2艇に内側に入られ5位でフィニッシュしました。4から5メートルの風速域で、クローズホールドのスピードと上り角度は、見ていても安心できます。しかし、今日も最後の風下マーク直前で、もったいないタクテクスをしていました。それにリーチングでのスピンホイストの鉄則、それらを改善する為に近藤選手と田畑選手は、二人でよく話し合う必要があるでしょう。
第2レースは、15時28分にスタートしました。このレースも判で押したようにゼネラルリコールとなってやり直し、そのうちに北の山側にあった黒い雲が近づき雷も光りだしました。風は一気に北寄りに90度振れ、風速も10メートルをオーバーしました。ところが、その風は30分ほど吹いたのち急速に終息して行きました。
本部船を移動しレースをブラックフラッグのスタートで再開したのですが、その頃には、4メートルあるかなしかというところまで落ちていました。再開されたスタートは、またもやゼネラルリコールとなりました。当然失格艇が出ました。この中に近藤・田畑組、松永・今村組が入っていました。
近藤・田畑組は、スタートラインの3分の1、アウトサイドリミットマーク寄りから風下のイスラエル艇と並んで出ました。このイスラエル艇は男子の世界ランキング2位のチームで、スタートはアグレッシブ、リコールで自滅するのをこれまで何度となく見てきました。その艇に負けじと、出て行く度胸は買いますが、スタートラインに対する自分達の位置を度外視してはスタートになりません。
レースはその後、風が右に45度振れ、コースを作ると岸に近くなりすぎること、時間も17時を回ったこと、それらを考慮してのことでしょう、中止になりました。
明日、7レース目をやり直すことになります。ルール上、近藤・田畑組は再開される7レースには出られません。
今日は、原田・吉田組、近藤・田畑組、それぞれ1回づつスタートで失格しました。今年のスプリングカップは、例年になくスタートでの失格艇が目立ちます。それは、久々に行われる60艇の一斉スタートに原因があるように思います。選手は、このところ、40艇ぐらいで行われる短いスタートラインに慣れてしまっているのでしょう。またコミッティーも、昔は常識として行われていた「艇数の多いスタートは長めに作らなくてはいけない」ということを忘れているのかもしれません。
いずれにしても、簡単に失格すべきではありません。フリートレースで「ドキッとする程、ドンピシャ」のスタートは良いスタートとは言えません。また「全く心配しないで失格」してしまうようなOCSをしたとしたら、それは論外です。スタートラインと自分の位置関係がしっかり把握されていて、両脇の艇の影響を受けない「普通のスタート」を目指すべきです。
臨機応変に対応しながら、その「普通」がなかなかできないから苦労します。自分にできないことを選手に要求するのかと、私の昔を知っている人からおしかりを受けることは解っています。しかし、子供の時から、長くレースを経験し、ポテンシャルがあり、私の若い時から比べれば何倍もまじめに取り組んでいる、4人ですから、かならずその域に達し、技術を習得できると信じているのです。
やっと吹き出したシーブリーズの中、調整しながらレース海面に向かう2艇の写真を添付します。

