2010年 プリンセスソフィア 報告 大会5日 4月1日 スペイン・マヨルカ

小松 一憲
乾燥した北風が吹いて、海から見るマヨルカの山並みがとてもきれいです。今日は、珍しく朝から吹いていました。フリートレースの最終日、良いコンデションで3レースがおこなわれることを期待したのですが、このところ、その精度の高さに驚いている天気予報は、非情にも風は朝のうちだけとのことでした。

風向325±10度、風速6から7.5メートル、定刻の11時に女子のレースから開始され、文句のないコンデションでレースができました。1レースを終えたところで、風がなくなり、海上での風待ちが始まりました。12時30分から17時30分に今日のレースを全て中止する旨の信号が出るまで、約5時間の長い風待ちでした。その間、一度だけ、吹き戻ったとでも表現するのか、4メートルの風が吹いてきました。すぐに女子がスタートしましたが、第1マークを回航し、サイドマークに向かうところで再びなくなり中止されました。海に浮いているだけで、5時間も過ごせるのはセーリング愛好者だけかもしれません。私は、マヨルカの青く澄んだ海と空、白い雲と山並み、港に入港する大型客船、焼きたてのパンを買って自分で作ったサンドイッチを頬張りながら、ぼんやり眺める春の地中海、のどかな時間を楽しむことができました。

第1レース、陸からの風は強弱をともない、小刻みに左右に振れていました。スタートラインに並ぶ時、風の変化のどのタイミングでスタートしようとしているのかを考え、さらにスタートラインの傾きや他艇が作るライン上での形、動きなどを頭に入れて、ねらうポジションが決まります。近藤・田畑組は、アウトサイドリミットマーク寄りの3番手で出て行きました。上り角度も良く、スターボードタックを伸ばし、風の振れに対し何度かタッキングをしながら、かと言ってバタバタせず、走っていました。風上マークを1位のフランス艇に続き2位で回航しました。ランニングのコースに入って追い抜き、風下マークでは20秒の差を付けたのですが、2回目のクローズホールドのコースで抜き返されました。風速が上がり、185センチ近くあるフランスのクルーの身長が効いたのでしょう、この時は「スピード、上り角度共に走りの差があった」と聞きました。しかし、全体のレース運びに問題は無く、2位のフィニッシュは評価に値します。

男子の原田・吉田組は本部船寄り3艇目から無難にスタートしました。30秒ほど走り、タッキングをして右方向に展開しました。「リフトした風をつかんでいたので右に伸ばすしかなかった」と言うのですが、右の奥の奥まで行って、待っていた風をつかんでタッキングした時にはオーバーセールになっていました。長い距離を残してのオーバーセールでしたからダメージは大きく、風上マークの回航は25位でした。2回目のクローズホールドで、13位まで上がってきたのですが走りが良かっただけに残念です。最初のクローズホールドで「本部船寄りから出て右を狙う」と決めてかかった、やや強引な戦法に問題がありました。丁寧なコース取りをしていれば、結果は違ったものになったでしょう。

近藤・田畑組は初日のつまづきを引きずること無く、トップテンで実施される明日のメダルレースに5位で進出しました。原田・吉田組は10位との差1点、11位でプリンセスソフィアを今日で終えました。私には、残念という気持ちは湧いてきません。初日からの戦いぶりを振り返れば、当然の結果であり、勉強という聞こえの良い言葉で表現しましたが失敗の連続でした。ただし、今は失敗も収穫と考えます。次の試合に心も体も技術もリセットし、備えて欲しいいと願っています。成功の収穫もありました。それをこの遠征中に、しっかり自分達のものにすべく、私自身も考え、努力し、練習をしていきます。