2010年 プリンセスソフィア 報告 初日 3月28日 スペイン・マヨルカ

小松 一憲

本日(28日)よりプリンセスソフィアが始まりました。22日にマヨルカ入りし、順調に練習もこなし今日に備えてきました。プリンセスソフィアは、今年も参加艇が多く大変賑わっています。470級男子だけで100艇もの参加があります。温暖な地であること、コンスタントな風に恵まれること、宿泊施設がふんだんにあることなどが、その理由にあげられるでしょう。加えてレース運営がしっかりしていていること、表彰式は古いお城を使いスペイン王女が臨席することも魅力なのかもしれません。

27日より始まった受付と計測の締め切りが28日12時となっており、初日のレースは14時に開始されました。朝のうち凪いでいた快晴の海にシーブリーズが11時頃から吹き出し、今日の天気予報、南西の風が2から4メートルと予報通りの風向風速になりました。南西の風と表現されていますが、実際は180度から210度の振幅を持ち、15分程度の周期で緩やかに振れていました。

南西に向かって開けた湾の左の沖に470級のコースが設定され、定刻に女子がスタートしました。風上マークは180度、スタートラインは約400メートルと長く、本部船有利に設定されていました。その本部船寄りにできた艇団の風下、左から7艇目でスタートしました。スタートの狙いからコースの左側を使う作戦と見受けられました。スタートは悪くなかったのですが、この時すでに右からの風が入り始めていました。空の雲は右側に薄く広がり、左は青空、私には、コースの右側に風があるように見えました。今朝、2年前のプリンセスソフィアの報告を読んで参考にするように、と指示したのですが、そこに私が書いていたのは「シーブリーズの吹き出し方と左側の海面を使ってのコース取りが成功していた」ということでした。これが左狙いの根拠になったとしたら、読んだことがむしろマイナスになったと言えます。どんな時も、その時に見た海面の観察を優先すべきです。それも自分の目で見て判断したものでなければなりません。気象予報、潮流など、あらゆる情報に関して同じことが言えます。参考にしてもうのみにせず、自分の目で確かめることが大切です。

コースの真ん中を風の振れに対し逆に走ることが多かったのでしょう、風上マークの回航は、なんとビリ2番、目を覆いたくなる順位でした。追い上げようにも先頭集団からは大きく遅れ、フィニッシュは33位でした。

第2レースは、マークの打ち変えが行われ、スタートラインも風向190度に対し、ほぼ直角に作られました。風速はスタートの時点で3・5メートル、後半は2メートルまで落ちました。スタートラインに均等に散らばった艇の左から7番目でスタートしました。スタートの狙いも出方も悪くなく、左に伸ばしました。少し左に振れてきたところでタッキングをし、スターボード艇の前を通過してコースの中央に出ようとしたのですが、いまひとつ走りにスピードが無く前に出て行くことができません。タッキングするポイントも風の振れに対して早く反応し過ぎているようにみえました。我慢して突っ込んだ両サイドの艇に前を走られる場面が目立ちました。風上マークを13位で回航したのですが、風速が落ち、スピンを張れないほどに左に風が振れてタイトになったリーチングで、順位を落とし、このレースも22位と、これまであまり見ることのない順位でフィニッシュしました。

男子は、50艇づつの2グループに分けられました。原田・吉田組はスタートラインの中央で艇の並びがまばらになったところから、少し凹んでいたと思われますが、危なげないスタートをして左に伸ばしました。走りも悪くなく風上マークを5位で回航しました。途中7位に落ちましたが、フィニッシュは6位、第1レースとしては、まずまずの順位です。

第2レースは、風向が変化し、コースチェンジが行われ、さらに中止されてもおかしくないほど落ちた風の中を女子がレースを続行しているところで、マークの打ち変えもできず、スタートさせられないと判断したのでしょう、16時30分にレースの後日延期の旗が揚がりました。

意気揚々と日本を発ち、ヨーロッパに来て迎えた初戦、「頭をを冷やせ」と叱りつけられたような気がしました。正直に言えば「もっと楽に勝てる」と思っていたのです。自分でも可笑しくなります。これが世界の舞台、武者修行の良さでもあります。今日1日で、このところ注意を払わなかった微風のチューニングについて考えさせられました。そして思い当たる事もありました。明日も弱い風の予報ですから、それをさっそく試し、修正できれば良いと考えています。日本で苦労せず勝っていては、ずっと見過ごしていたでしょう。この様にしてこれから約半年、遠征を続けて行きます。