セール フォー ゴールド レガッタ 報告 2009年9月14日 (大会第1日)
2009年09月15日 | コーチの声
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オリンピック開催予定地、ウエイマスでのレースが今日から始まりました。こちらに来て約2週間になるのですが、風が弱く練習にならない日は、1日もありませんでした。逆に強すぎて出艇を躊躇する日があるなど、平均して風が強めのコンデションが続いています。日中の気温は20度と過ごしやすいのですが、朝晩は寒さを感じるようになりました。
オリンピックの予行演習の目的を持つ この大会は、参加している選手にも大会関係者にも、とにかくレースに参加して、また実施してみて、と言った雰囲気があり、なんとなくリラックスしているように見受けられます。レース前の計測は、簡易的なチェックとスタンピングだけで、参加している国数もオリンピックの約3分の2程度と少なく、出場しやすいヨーロッパの開催でありながら、今年は見合わせた国も少なくありません。この雰囲気の源は「テストとリサーチが主たる目的」だからなのでしょう。交通、宿泊、食事、気象、海象、大会施設、大会運営、さらにお国柄等々、リサーチの対象は、セーリング特有のものを除けば、オリンピックに限らずスポーツ大会全般に共通するものです。
レースは、ウエイマスの防波堤に囲まれた港の中を含め、海岸線に沿って東西、横並びにAからFまでの6海面で実施されます。470級は一番西に位置するハーバーから、10メートル前後の風で走って45分程の距離の、F海面が使われました。F海面は、世界遺産にも登録されているという白い岩肌の崖と小高い丘陵地帯が東西に延びており、今日のように北東の風が吹くと、丘陵地帯を超え、正面の崖の右斜めから吹いてくるかたちになります。断続的で不規則な風向と風速の変化、加えて風のむらがあり、岸に近づくに従って風速も平均1から1.5メートル弱くなります。また岸にほぼ平行に流れ、干満で東西に方向が変わる潮流、これらの事柄をすべて頭に入れて、レースをするのですが、言うまでもなく簡単ではありません。
男子は、55艇が2グループに分けられ、女子は32艇の1グループ、それぞれ2レースが行われました。男子は11時のスタートで、女子は13時、男子の2レースが終了してから女子を行うというスケジュールでした。風速は、5・5から8メートル、風向35から60度の間で朝から夕方まで変わりませんでした。潮流は、12時から13時にかけて転流したのですが、町のマリンショップで購入した満潮時を基準にして1時間ごとの流れが表記された本を参考にしました。
原田・吉田組は、スタートラインの右3分の1、艇団の真ん中から無難にスタートしました。スターボードを少し走った後、右に展開して第1風上マークをトップで回航しました。2位に15秒の差をつけていました。アウターマークに向かうリ-チングコースでは、通常であれば楽々と後続を離して抜けていけるところなのですが、風にむらがあることもあってサイドマークまでに追いつかれ、10艇程の集団になりました。風下マークをなんとか2位で回航したのですが、向い潮の強い右方向を走ったことが災いし、第2マークを7位で回航、そのまま順位は変わらずフィニッシュしました。2回目のクローズホールドのコースは、自分の順位を守ることを考えたコース取りをすべきだという基本を忘れたのが、順位を落とす結果になりました。
第2レースは、アウトサイドリミットマーク有利のスタートで、本部船寄りの艇団、真ん中から出ました。出方は悪くなかったのですが、やはりアウトサイドリミットマーク有利のスタートでありながら右寄りから出た為に途中の見え方は、けして良いとは言えない位置を走っていました。コースの中盤から、左方向に伸ばし、最後は艇団の一番左、岸寄りに出ました。このコース取りが良かったのでしょう第1風上マークを4番で回航しました。サイドマークまでに3番にあがり、風下マークまで行きました。次のクローズホールドで後ろで回ったイギリスが右方向に伸ばし、右にシフトしたパフをつかんで一気にトップに出てきました。その為、4位に落ち、その後、順位は変わらずフィニッシュしました。
難しい風の中でのレースとしては、滑り出しはまずまずです。レースの序盤は、レースコースと風になれるまで、大けがをしないことを心がけ、とにかく基本に忠実に走るべきでしょう。
近藤・田畑組は、スタートラインにまんべんなく散らばった艇団の真ん中から無難にスタートしました。コースの3分の1までは、トップを争う位置にいたのですが、その後、左に長く伸ばした艇団が左振れの風をつかんで上マークを上位で回りました。艇団の右に位置していた近藤・田畑組はその振れをつかむことができず風上マークを12位で回航しました。風下マークまでに9位に上がったのですが、2回目のクローズホールドのコース取りがちぐはぐになり、フィニッシュは15位と順位を落してしまいました。
第2レースは、第1レース同様、ラインの半分やや本部船寄り、艇団の真ん中からきれいにスタートしました。このレースもスタート後、コースの3分の1まではトップの位置を走っていました。しかし、スタート後左に思い切り伸ばした艇団が、第1レース同様、左に振れた風をつかんでコースの3分の2の所で中央に寄せてきました。これをまたまた第1レースと同じく右で受けて走り、しのごうとしたのですがしのぎ切れず、次に集団の中に入ってタッキングの回数を増やすことになりました。ブランケットを避ける、風の変化に対応するという目的でタッキングするのはわかるのですが、数が多くなると、どうしても、素直に走っている艇に遅れをとります。タッキングは方向変換しながら止まっていることに等しいのです。第1風上マークの回航は22位でした。
次にサイドマークに向かって、お互いをけん制して、もしくは風が左に振れたことを考慮して、風上に大きく上って行ってスピンを展開する艇が多い中、一艇だけ真っすぐ走ることを選択しました。転流した潮の方向、左に振れた風が元に戻っていたことを考えると近藤・田畑組の選択は正解でした。サイドマークまでに5位に上がるることができました。その後、クローズホールドで抜きつ抜かれつしましたが、結局、前の2艇を抜くことができず、5位でフィニッシュしました。
第1風上マークの順位が良いのは、同じことを何回も言うようですが「スタートが良い」、「コース取りが良い」、「スピードが良い」の三つ要素が揃って可能になります。近藤・田畑組の今日の問題は、コース取りにありました。近藤選手の特徴と言っても良いのですが、いい方向を見極めたうえで、あるいは行かなくてはいけない特徴あるコンデションで最後まで我慢して、あるいは度胸をきめて深く突っ込むことができず、無難な所でコースの中に戻そうとする傾向があります。この傾向があって平均的に良い成績を収めているのですが、時と場合によっては、思い切り、あるいは誰よりも左なら左をキープするコース取りが必要になります。
第1日目を終わって、ベストではありませんが、BFDやOCS、DSQの失格など、大きなポイントを背負わずに戦いに入れたことを良しとしなくてはならないでしょう。強めの風がこれからも続く予報です。これからの展開は誰にも予測できません。ただ、しっかり走って勉強するだけです。
