2009年08月 アーカイブ

Team ABeam スタッフ

小松監督のレポートにありましたように、デンマークで開催された470級世界選手権にて、原田・吉田組が銅メダルを獲得しました。

ご声援ありがとうございました☆

以下取り急ぎ現地から届きました写真レポートです。



3位が確定しガッツポーズの原田・吉田組



帆走中の原田・吉田組



小松監督を挟んで。左はスキッパーの原田 龍之介。右がクルーの吉田 雄悟です。



女子も新チーム結成後まもないにも関わらず8位の好成績を収めました。



5人揃って。チーム・アビームまだまだ進化中です!!!

小松 一憲

メダルレースの結果、原田・吉田組3位、近藤・田畑組8位で2009年470級世界選手権を終了しました。

男子のメダルレースが始まろうとした時、スコールのような雨と風が吹いて、風速は11メートルをオーバーしました。レースコミッティーがアウトサイドリミットマークとなるゴムボートのアンカーリングに手間どる間に、雲は通過し、風はぱたりと落ちました。結局、平均5メートルのコンデションで男子は行われ、女子は、少し上がって平均8メートルのレースになりました。メダルレースと言うことで、岸の近くにセットされたコースは、岸風(260度)の為、振れやむらが多く、トリッキーでした。さらにコースが短いこともあって順位は目まぐるしく変化しました。
その中で、優勝した女子のオランダチームのみ、別格の走りをみせ、一艇だけ飛び抜けていました。そのほか、原田・吉田組が8位で第1風上マークを回りながら、2回目の上りで一気に5位まで浮上、近藤・田畑組も一時は3位にあがるなど、男女共に順位のアップダウンが激しい、見る者にエキサイティング、競技する選手にはたいへん難しいレースでした。

終わってみれば2位と同点の3位、「悔しいか」と聞かれても、私は正直、「こんなところかな~」と冷めています。もしここで、彼等が1点、2点に泣く(悔しがる)のなら、もっと前に泣かないで済む努力があっただろうと言うでしょう。泣かないで済む努力と言うのは、レースで言えば、坦々と、どんな時も基本に忠実にレースを戦うことであり、スポーツマンとして、日々、厳しく練習に取り組むことだと考えています。成績を悔やむのなら、途中、スタートでの失敗や失格を含め、何度もつまらないミスを犯した、そのことを悔やむべきでしょう。

言うまでもなく、原田・吉田組は、力を抜いて練習し、レースに臨んだわけではありません。私の若い時と比べたら、何倍も真面目に取り組んでいます。また私の若い時のポテンシャルなどとは比較にならない、光るものを持っています。今、彼等の伸び代を考えると、近い将来、まだまだ行けると確信します。そして、他の選手と経験量を比較した時、「今はこんなところだろう」と思うのです。

近藤・田畑組にも同じことが言えます。他のトップレベルの選手と比べ、体の小さな田畑選手は、なれないクルーをこなし、短期間に良く、このレベルまできました。これから来年、そして再来年と、近藤選手共々磨きをかけ、バージョンアップして行くのが楽しみです。

私は、風が弱く不安定なコンデションでおこなわれたヨーロッパ選手権の優勝と準優勝の原田・吉田組、近藤・田畑組が、今回の文句ないコンデションで、それなりの結果を出し、「チーム・アビーム、ひいては日本470、ここにあり」と胸を張って言えることを嬉しく思います。
それを成し遂げた4人に拍手を送ります。そして、まだ到達していない上を目指し、日々の練習を精一杯頑張ってほしいと願っています。

報告を終わります。

小松 一憲

久々に曇りの天気でレースが行われました。14時を過ぎる頃から、雨がぱらつき、この雨をきっかけに、レースが終了した後、それまで吹いていた160度±10度の風が西に大きく変化しました。10メートルを超すほどの風速になりましたが、レース中の風速は、第1レースが5から6・5メートル、第2レース、6から8・5メートルで、170度方向からの向い潮、0・5ノットのコンデションでした。

今日は女子がアウターコースを使って先にスタートしました。近藤・田畑組は、スタートラインの左3分の1の位置から、まずまずのスタートをして、コースの中央に展開しました。向い潮を避けて右コースを選択するグループと、風の振れに対応し、右方向にこだわらないグループとに分かれたのですが、結局、始めから右に伸ばしたグループが第1風上マークを先に回航しました。今日の風速域であれば、もう少し前を走ってもおかしくないのですが、やはり何かがかみ合わないのでしょう。

第2レースは、アウトサイドリミットマークの2番手から良いスタートをしました。このレースも約3分の2の艇が右に伸ばしたのに対し、近藤・田畑組は左を選択しました。空は、左が黒く見えていたこともあり、この選択は正解でした。その証拠に、最初のタッキングでトラピーズリングをかけ損ねた田畑選手が落水するというアクシデント(ミス)にもかかわらず、第1風上マークを2位で回航しました。もちろん、この時はスピードもありました。その後、フィニッシュまで2位を守り切れず、ランニングでオランダ艇に抜かれました。ランニングは今後の課題であることを再度認識させられました。

原田・吉田組は、本部船の左横5艇目から、まずまずのスタートをして、右に伸ばすグループに入りました。途中まで悪くないように見えたのですが、右にあまり固執せず、早めに集団から離れるべきだったかもしれません。左に返すタイミングを間違えたと言えるでしょう。
風上マークを前で回航したのは、最後まで右に伸ばした艇では無く、風の振れに合わせて、走ってきた艇でした。風上マークを17番で回航し、順位変わらず風下マークも回航、その後は驚異的な追い上げを見せました。ただ一艇、左に伸ばしたのが功を奏し、第2風上マークで3位に浮上しました。あとで聞けば「ずっとスターボートタックがリフトだった」ということですから、潮流を意識して右に固執しなかったことが良かったのでしょう。ここで2位と1点差のトップになりました。

第2レース、アウトサイドリミットマークの一番手で出て、マークのゴムボートに接触し、ペナルティー解消の360度回転してスタートしました。風速が7から8メートル吹いていました。遅くて下手な選手などいないゴールドフリートです。スタートの大失敗は致命傷と言っても過言ではありません。若者言葉を使うのなら、また最後の最後に大事なスタートで「やらかした」と言うことになるのでしょう。してはいけない「乱暴なスタート」、「無茶なスタート」、「なめてかかったスタート」、「狙いすぎの出遅れスタート」、「一か八かのぎりぎりのスタート」等々、大事な局面で、スタートを無難に出て行く大切さを、言葉を換え何度も何度も言い聞かせてきました。始めから一点を狙っていたわけでは無かったと思います。スタートまで1分を切り、待っていいる間に向い潮の影響で高さを失い、その高さを確保する為に前に走り、マークボートとの距離を縮めてしまったのでしょう。しかし、その場所からのスタート諦め、判断する時間はあったはずです。まだまだ、若く、経験が無いと言ってしまえばそれまでです。本当にこのようなケースで、今年は優勝を落としてきました。フランスのスプリングカップ、イエールのフリートレース最終日、イタリアのガルダオリンピックウイークの3大会と今回、すべてメダルレースのBFDとスタートの大失敗によるものでした。今回はまだ試合が終わったわけではありませんが、走りが抜きんでているから余計に残念に思えてならないのです。第2レースの風上マークは18位、ランニングで22位ぐらいまで落ちて、次にまた左に出して大逆転を狙いました。今度は風が西に大きく振れようとしていましたから、「同じ柳の下にドジョウは二匹・・・」のたとえではありませんが、挽回することはできませんでした。17位でフィニッシュしたのに対し、トップ争いをしていたクロアチアは1位でフィニッシュして突き放されました。もちろん後ろのチームにも追い上げられることになりました。

今年の3月末から海外遠征を始め、原田・吉田組はレースごとにボートスピードが速くなってきました。成長してきたとも言えるでしょう。この成長は、レースという緊張感の中で練習のスピードを再現する能力、風速変化に的確に対応する能力、が高まったからにほかなりません。
明日のメダルレースは、衆目の中で総合力が試されます。特に迅速で的確な判断と行動を必要とします。経験不足は否めませんが、今年のメインイベントの締めくくりとして、しっかり走ってほしいと願っています。

小松 一憲

決勝二日目、一面、雲に覆われていた空は、9時に快晴となり、風速5から7.5メートル、風向160度のコンデションとなりました。初日からプレスボートに乗り,
写真を撮っているカメラマンの添畑薫氏によれば、今日が、一番光が良く、きれいな写真が撮れたとのことです。潮流は、170度方向から約0.3ノット、比較的弱い向い潮でした。

定刻、12時05分、レースはリコール艇無しのクリアースタートで始まりました。原田・吉田組は、右方向への展開を狙って、本部船の左横5艇目でスタートしました。すぐ風上に、昨日BFDの失格になったドイツがいて、慎重になりすぎたのでしょうか、これにかぶされて、逃げのタッキングをしたところ、今度は目の前でスペイン艇にタキングされてしまいました。再度タッキングし、自分の行きたい右方向に出るまでに3回のタッキングをしました。こうなると、無難なスタートをして素直に走っているいる艇とは大きな差がつきます。それでも、その後の走りが良かったからでしょう、第1風上マークを16位で回航しました。マークを回るごとに少しづつ追い上げて、9位でフィニッシュしました。成績上位のチームが二人の後ろでフィニッシュした為、点数の差を一気に縮めることができました。

第2レース、風速が平均1から2メートル上がり、マックス8メートルの風が入ってきました。スタートは、第1レース同様、右狙いの本部船横、しかし今度は狙いすぎました。本部船横で列からはじき落とされ、スタートできないと判断して次に取った行動が本部船横のポートタック狙いという大胆な出方でした。運良く、出れることは出れたのですが、右に伸ばす艇の3列目となっていました。これを嫌って左海面に、ただ一艇伸ばしていったのですが、その過程で彼等の後ろを通過する艇は一艇もありませんでした。追い上げムードに乗れるかと思った矢先の、最悪スタートでした。見ていた私も思わず目を覆ったのですが、左にただ一艇、誰にも邪魔されずに長く走れたのが良かったのでしょうか、あれだけ悪いスタートをしていながら、第1風上マークを17番で回航しました。この後、前を走る上位陣を抜いて8位でフィニッシュしました。終わってみれば、トータルでトップと同点の2位になっていました。
私は、2位に浮上したこと以上に、クローズもランニングも上位陣に競り負けずに走れたことを嬉しく思います。
同時に、狙いすぎの強引なスタートとその失敗を、明日からのレースでは見せて欲しくないと願っています。

近藤・田畑組は、今日もいま一つ、走りに冴えが無く、そこそこのスタートをしながら、不運な風の振れもあって前を走れません。これはどうしたことでしょう。何かリズムに乗れない原因があるはずです。いくつか考えられることがあるのですが、今ここで申し上げることはできません。二人は経験あるとは言え、コンビを組み短期間の練習で、この世界選手権に臨みました。昨日の2レースが、17位と17位、今日が11位と11位、風速が平均で1・5メートル低かったら、現在のトータルの成績からとっくに抜けだしていたでしょう。近藤選手は、鎌田選手と築いた走りとの違いに戸惑いを感じているかもしれません。それは当り前のことでしょう。6メートル以上の風で、田畑選手との走りを世界的なレベルに引き上げ、確立するのにはもう少し時間がかかるように思います。

小松 一憲

決勝第一日は、三日間続いた南東の風から一転、西風でのレースとなりました。西風は、岸から吹く為に「振れ」と「むら」が多く、時には予測しがたい変化もして難しくなります。風速は4・5から7メートルで第1レースのほうが平均的に強く、第2レースは若干落ちました。潮流も昨日までの170度方向から一転、330度、0・3ノットと弱くなりました。

近藤・田畑組は、第1レース及び第3レースのスタートに於いてアウトサイドリミットマーク寄りの9番手、そして4番手から無難にスタートをしました。第2レースはグッドスタートと言った方が良いかもしれません。しかし、第1風上マークへのコース取りとタッキングのポイントが悪く、スピードにいつもの伸びも無く、苦しい展開となりました。スピードの無さは、マストレーキの選択と、このところの傾向でピンチアップモードで走らすことが必要以上に多くなった為と見ています。また、今日の第1レースは10位で風上マークを回航しながら、風下マークまでに28位まで落ちてしまう、ランニングのコース取りのミスもともなって、歯車の噛み合わない、もどかしいレースをしていました。いずれにしても頑張って修正し、残りのレースをしっかり走ってほしいと思います。

原田・吉田組は、第1レース、ゼネラルリーコール後、黒色旗掲揚のスタートで、アウトサイドリミット寄りの5番手から出て、BFDの失格となりました。彼等を含めアウトサイドリミットマーク近くの艇が数艇ラインをオーバーし、黒色旗掲揚でのゼネラルリコールのきっかけを作ったのでしょう。
潮流はラインの角度360度に対し、30度の角度(330度方向から)で右ななめ横から流れていました。昨日までの強い向い潮と違って、アウトサイドリミットマーク寄りを狙う時には、それなりの注意が必要でした。ラインの見極めの甘さと、リミットマーク近くにできる集団の形を忘れて、自分の横に位置する艇との相対的な位置関係でスタートした為に起こったBFDの失格でした。今年だけで5回を超えるリコールです。インターナショナルのレースで、前に出て行く度胸は評価します。しかし、何か基本的な所で、欠落しているものがないか胸に手を当てて考えてほしいと思います。「他の上位の艇も失格した」と言ってしまえば聞こえは良いのですが、もったいないの一言に尽きます。
第2レースは、一回のゼネラルリコールの後、黒色旗の掲揚されたスタートで本部船左横、4艇目からまずまずのスタートをしました。スタートした直後の一瞬のタッキングチャンスを逃し、次のタッキングポイントをあせり過ぎ、右に展開するのに苦労することになりました。それでも風上マークは16番で回航したのですが、ランニングでコースミスをして風下に行くまで、10艇ほど抜かれてしまいました。第2風上マークまでのコース取りは、左に変化した風をうまく使い、またランニングでは、「マーク」と「集団」と「風」の位置関係を考え、セオリーどおり、きちっと走った結果、大きくジャンプアップし2位でフィニッシュしました。

昨日、「レースは半分、まだまだドラマがおこる」と書きました。原田・吉田組が、その主役になるとは正直なところ思いませんでした。BFDの失格が帳消しになり、振り出しに戻すことができました。頂点を目指す為のスタートラインに再び立てたと考え、明日からまた基本通りの戦いを進めてほしいと願っています。

小松 一憲

予選最終日、1レースが実施され、今日までの6レースのトータルで男子はゴールド、シルバー、ブロンズの3グループに、そして女子は2グループに分けられ、明日(26日) より決勝レースが始まります。今日までの得点を持ちこし、新たに6レースが実施され、最後に得点が2倍で計算されるメダルレースのポイントが加算されて決着します。

原田・吉田組は、今日3位でフィニッシュし、トータル6位でゴールドフリートに残りました。他の3艇は、残念ながらゴールドには入れず、シルバー以下で戦うことになりました。女子の近藤・田畑組は今日7位を取り、昨日から一つ順位を下げて6位でゴールドフリートに、同じく吉迫・大熊組(ベネッセ)が22位でゴールド、平井・来栖組はシルバーで戦うこととなりました。レースが半分終わりました。男女ともにいつもの顔ぶれが多く上位に見られます。これは今日までの6レースが向い潮があったり、風のアップダウンが大きかったりとそれなりに難しいコンデションであったこと、また風速が平均して5メートル以上あったことなどから、ラッキーをする場面が少なく、実力が問われたレースだったと言えます。もう少し付け加えて言うと、潮流を避けるコース取りが要求され、向い潮の弱いところに向かってとにかく早く走っていくコース取りとなり、オランダの男女チームに代表されるような強風を得意とし、スピードのあるチームが上位を占める結果となりました。大会は半分残っています。これから先、まだまだドラマが作られるでしょう。後半戦、戦い方に特別なものは無く、これまでの6レースで経験し培ったものを生かし、いつも言うことですが、慎重になりすぎず、無茶をせず、攻める気持ちを失わず、1レース1レース積み上げていくだけです。

今日は天気が崩れるとの情報がありました。しかし予想に反し、素晴らしいという言葉が当てはまる、良い天気になりました。風向150から170度、風速4から6・5メートル、潮流170度方向から0・5、場所によって1ノットの流れがありました。近藤・田畑組は、本部船横から一番にタッキングをして右方向に伸ばしました。スタートして3分間は全艇を従えてよい角度で走っていたのですが、アンラッキーなことに風が左に振れ、その後右に戻ることなく、苦しい展開となりました。昨日の男子の情報が無ければ、そして普段であれば、良い景色に見えた(風上艇のバウが落ちてきた)時点で迷わずタキングをしたのでしょうが、そのタッキングをせずに、向い潮の弱まるところまで右に伸ばそうと考えたのは、仕方無いことだったでしょう。近藤・田畑両選手だけでなく、ほぼ全選手が右に伸ばすことを考えていたはずです。第1風上マークを11位で回航し、フィニッシュは7位でした。左振れの風に対して、一番右に位置していながら、傷を大きくせず、まずまずの追い上げをみせました。

男子は、左にひたすら伸ばすコース取りのスピード競争になりました。ただ、どこで左に返してくるかがポイントになりました。潮流を意識しすぎて、大きくオーバーセールすることなく、足りなすぎず、ちょうど良いところで返す、その判断が難しかったのではないでしょうか。原田・吉田組は、第1風上マークを4位で回航し、フィニッシュは3位でした。6レース中、5レース、第1風上マークを4位以内で回航したことになるのですが、予選で玉石混合のレベルとは言え、その安定度は、なかなかのものです。

この大会の後半戦に限らず、いつ何時も、4人には、世界のトップを見据えて戦いを挑んでほしいと願っています。足りないところは素直に反省し、自信を持てるとこは積み重ねにし、前進あるのみです。

小松 一憲

薄曇りから快晴に変り、風向130から160度、風速5から10メートル、良いコンデションで3レース行われました。1日、2レースのスケジュールが変更され3レースになったのですが、24日に天気が崩れると予想したようです。

この世界選手権は、全選手(ヘルムスマン)にGPSを持たせ、航跡だけですがレースをリアルタイムで全世界に配信するという初めての試みが行われています。大変な時代になりました。ヨットはメディア受けしない、もっともテレビ中継の難しいスポーツとされてきました。しかし、インターネットとGPSの組み合わせで、興味のある人が見たい時にいつでも見れるという新しい形態が出現しました。これまでのような私の報告は、情報量の多いこの大会で、意味を持たないものになったように思います。インターネットで今回のような楽しみ方ができると、ヨットはスピードボートよりタクティクスをじっくり見ながら考えることもできる、たとえば将棋や碁の対局を見るような種目の方が良いのかもしれません。その点で470級は、オリンピック種目の中で遅すぎず速すぎず、うってつけなのでは無いでしょうか。

南東から南の風になると、レースコースは風上に向かって縦に二つ作られ、男女のレースの全てを一艇で観戦することが、不可能になります。18倍の双眼鏡でも確認できないの距離(約8キロ)になり、サポート(食糧・予備パーツ・アドバイス)程度は問題ないのですが、両方のスタートを含め、じっくり観戦することはできません。

今日は男子が南のエリアを使ってレースをしました。コミッティーがもう少し岸から離してコースを設定すれば、左右の違いは少なくなったのでしょうが、コースの右半分に潮目があり、岸に寄れば170度方向から流れる1ノット近い向い潮が弱くなるという偏った傾向のコースになりました。しかし右海面には、漂う海草の量が半端では無いという問題があり、コース選択に迷いました。結果は、海草が引っかかり、それを取りながらでも向い潮を避け、岸に向かって走り、岸沿いにベンドして吹いてくる風のラインまで我慢して伸ばすコース取りが正解でした。私もあまりの海草の多さに、やみくもに岸方向に向かうのは避けるべきだと考えたのですが、間違っていました。原田・吉田組に感想を述べる程度であれ、間違った判断をさせる要因になってしまったと、反省しています。集団に対して左に位置するコース取りをした彼等は、フィニッシュまで追い上げたのですが、12位というワーストの順位を取ってしまいました。

女子の近藤・田畑組には、急いで走っていきスタートぎりぎり、声を掛けられるリミットの5秒前に情報を伝達できました。短く「左に突っ込んだのは、潮で死んでるよ!」この一言で、二人は本部船横、2艇目から誰よりも早くタッキングをして右に伸ばし、第1風上マークをトップで回航しましました。コーチは情報を与えるべきで指示をすべきではありません。「判断は、選手にさせる。」これは、かつて1986年(?)ナショナルチームの合宿に招待したアメリカのコーチ、ロバート・ホプキンスの教えで、私は、今もこれを守るよう心がけています。今回は、指示に近いアドバイスでしたが、普段であれば、「左よりも右が潮が弱い」と言うだけです。
勿論、潮流の対処については、普段から繰り返しレクチャーしています。
決勝になれば、男女のゴールドグループが同じレースコースを使うので、男女を今以上に厚くカバーできることになります。

第3レースは8から10メートルの風が吹いてきました。ここで近藤・田畑組は強風に強いオランダ、フランスにクローズホールドで走り勝ちました。いずれもクルーの身長185センチ、田畑選手は166センチです。課題は、ランニングの走らせ方で、1レース目も3レース目もせっかくのトップをランニングで失う結果となりました。ランニングは、近藤選手にとっては、ずっと持ち続けている課題でもあります。今日の大きな収穫と言えるクローズホールドの走りと共に、なんとしてもランニングというウイークポイントが強く印象にのこりました。

原田・吉田組は、昨日、リーチングのスピンホイストでちょっと手間取った隙に3番から順位を落とし5番に落ちるもったいないレースがありました。今日は、2番を走っていて、インナーコースのサイドマークに近づきランニングに入ろうとしたところでクルーの吉田選手が落水して泳ぐというトラブルがありました。同じく2番から6番に順位を落とす、もったいないレースになりました。彼らもまた、ランニングの走りとボートハンドリングの「凡ミス」がウイークポイントであり、それをなんとか解消しなくてはなりません。まずは原因、次に対策、そして体得する努力(練習)、強く、上手く、速い選手を目指して精進あるのみです。

今日の3レース、女子は2-5-2と走り、トータルで4位、男子は12-2-6で9位、予選は明日実施される1レースで終わります。

小松 一憲

6時30分、毎朝ウオーキングを始めるのですが、日増しに涼しくなり、快晴の空の色は日本で言えば「10月の運動会の朝」を思わせます。大会初日、風待ちの陸上待機から始まりました。
待つこと1時間半、上空の雲が西方向から流れ、やがてその雲の動きが止まり、その後、厚く黒い雲の出現と共に南東の風が安定して吹いてきました。
レースは、1時間半遅れの13時30分に始まりました。コースは、陸地と平行に北から南にA・B、二つ作られ、男子がAコースを使って95艇を3グループ、女子はBコースを使い、同じく57艇を2グループに分けて、2レースが実施されました。
レース海面は水深が15メートルと浅く、海底に日が差し込むからでしょう、海草が生えて、その草の切れ端が海面に漂い、センターボードやラダーに引っかかる厄介な問題になります。そして今日は、170度方向から0・5ノットの潮流がありました。

毎日グループ分けされるのですが、今日は近藤・田畑組が吉迫・大熊組(ベネッセ)と同じグループ、男子の原田・吉田組は渡辺・谷川組(SPN)と同グループになりました。アウターとインナーを交互に、男子も3グループがそれぞれ1回づつ使うようにレースが行われ、レース運営は公平な印象です。

風向、130から140度、風速、第1レース、5から7メートル、第2レース、6から8メートル、風向変化は、10度前後、風速も徐々に上がって文句ないコンデションになりました。
近藤・田畑組は第1レース、本部船の左、9艇目、第2レースアウターリミットマークの右、5艇の所からいずれも良いスタートをしました。
本部船側から良いスタートをするとそのまま左に伸ばす傾向があり、その後、自分達の風下後方を通過して右に展開した艇に前に出られるケースが多々あります。これは、左に伸ばしながら、上り角度重視の走り、言いかえればピンチアップモードのまま走ってしまうことが原因で起こります。また自分のポジションが左にいる艇に比べ、勝っているということで、集団の大半が右方向に行ったにもかかわらず、カバーを怠ってしまうのです。いずれも良いスタートをしていながら、第1上マーク順位を悪くする原因となります。
本部船寄りから出るスタートに限らず、そこそこのスタートをした時に、右にかなければいけない、あるいは行った方が良いと考えていながら、競っている艇が風上にいる時に自分から行動を起こしてその艇の後方を通過することを嫌い、タッキングを躊躇する、そのうちに右方向に風が振れて、右方向に展開するチャンスを失う、このようなことを何回も経験し、失敗しながら勉強していくのでしょう。
第1風上マークを3位で回航し、ランニングで順位を落として10位でフィニッシュはすなど、近藤・田畑組のコンビネーションというか二人の競技力の完成度は、まだ低いと私には見てとれました。二人は、お互いに経験を持っています。それを生かし、1+1が2になるには、もう少し時間が必要で、田畑選手がクルーとして力量を発揮するのも少し先になるでしょう。今日の成績は、6位と10位、世界ランキング2位の近藤選手にとっては不本意でしょう。しかし私は、二人のポテンシャルが楽しみで、今日の2レースを踏み台にジャンプアップしてくれることを信じています。

男子の原田・吉田組は、第1風上マーク、第1レース1位、第2レース2位と素晴らしい順位で回航しました。第1風上マークの順位が良いということは、「スタートが良い」、「スピードが良い」、「コースが良い」の三つのうち少なくとも二つが良くなくては、その順位で回航することはできません。第1マークの順位が良いということはフリートレースの主導権を握るということですから、この上ないアドバンテージと言えます。
次に、この順位を守るには、「スピード」、「テクニック(ボートハンドリング)」、「タクティクス」が必要になるのですが、ここに、二人のひ弱さと未熟さを感じます。経験で補えると言えば言えなくもありません。しかし、それでは消極的すぎで時間もかかります。日々の練習から、そこのところを強く意識し、より厳しく自分自身が取り組む姿勢が大切でしょう。今日の成績、2位と5位、二人でコンビ組んで短時間でこのレベルまで来ました、彼等のポテンシャルもまた私には楽しみです。

今日よりも明日、明日よりも明後日・・一日一日、1レース1レース勉強して上手に、そして強くなってほしいと願っています。今日から始まった世界選手権ですが
一日一日を積み上げていくだけです。

Team ABeam スタッフ

フジテレビ「すぽると」火曜日、「Featuring Sport」コーナーのスポーツナビゲーター、水野裕子さんが、今回、セーリングに初チャレンジ。

チーム・アビームの近藤選手・田畑選手とともに、見事470競技艇を乗りこなせるでしょうか。
その模様は、8月4日(火)23:55~24:35の時間内で放送予定です。
ぜひご覧下さい。