2009年 470級ヨーロッパ選手権 6月10日(大会3日)報告
2009年06月15日 | コーチの声
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小雨、曇り、晴れと天気は変化しました。ただし全体的には下り坂傾向です。風の予報は、南西の風、風力2から4、昨日の報告で、予報を風速1から3ノットと書きましたが、「風力1から3」の間違いでした。南西からの風がしっかり吹いていたのは午前中で、レース予定時間の12時には、南の風4メートルにまで落ちていました。
その後風は強まることなく、15時に凪となり、1レースを終えた後、一旦ハーバーに帰って風を待ちました。その後再び17時30分に出艇しましたが、またしても風が凪いで、16時15分にレースが行われないまま終了しました。
今日の最初のスタートは女子からで、予定通りに始まったのですが、1回のゼネラルリコールの後マークを10度南南東方向に打ち直し、50分後に再開されました。トラウン湖は、水深200メートルと聞きました。マークの打ち変えには時間がかかります。
この待ち時間に、近藤・田畑組にアクシデントが起こりました。スタートラインの風下で、スターボードタックの状態で船を止めていたところへ、イスラエルの女子がポートタックでぶつかってきたのです。ウオーターブレーク前のサイドデッキが陥没し、バウのエアータンクに達する穴が開いてしまいました。これをダックテープでふさぎ、次のスタートになんとか間に合わせたのですが、いつもの冴えが見えない走りになってしまいました。
12時57分、風向170±10度、本部船寄りにできた集団の風下から凹んだスタートになりました。タッキングして逃げ、右のフレッシュウインドをつかみに行きました。
逃げて右に出ようとする二人でしたが、風上でタッキングをされるなどして、なかなか思い通りに走らせてもらえず、おまけにクローズホールドのスピードもいま一つでした。それでも第1風上マークを6位で回航しました。リーチングのコースに入ってすぐ、一艇後ろにいた、現在トップ争いをしているイタリア艇に風上突破されました。このようなシーンは、近頃は全く見ることが無かったのですが、全ては、ぶつけられて穴が開いたことでの精神的ダメージであると私には見受けられました。その後、ランニングで順位を落とし、クローズホールドでも浮上できず、14位でフィニッシュしました。気持ちを入れ替えるだけの問題ですから、後半戦、これまでのように元気ある戦いを見せてほしいと思います。
男子第1レース、13時15分、風、変わらず、アウトサイドリミットマーク横、一番からスタートし、タッキングしてスターボート艇の前を通過して右の岸方向に伸ばしました。リミットマーク横、一番を狙う際の強い気持ちと、テクニックを駆使してのスペース作りを見て、彼等に「意地」のようなものを感じました。前日、少し強く言ったのが効いて、彼等の闘争心を呼び起こしたのでしょうか、私には、大変うれしい変化に見えました。これまでのように、あっさりと城主が城を受け渡してしまう様な戦いぶりとは、あきらかに違っていました。
スタート後、彼らより200メートル左に伸ばしてタッキングしたグループが左に振れる風をつかみ、トップスタートしていながら、途中、苦しい位置関係になりました。しかし、走りが良かったからでしょう、その場を持ちこたえ、風上マークへの寄せ方も良く、2位で回航しました。トップは韓国、3位はオーストラリアでした。
第2風上マークまでの間でトップに浮上しました。トップの韓国は3位に落ち、ここからオーストラリアの猛追を受けたのですが、守りきり、3分の2艇身差でフィニッシュしました。オランダの試合と合わせ、オーストラリアと競って、負けなかったのは、今回で2回目、逆に負けたのが2回、この勝率をなんとしても引き上げるという気持ちで、自分達のテクニックをさらに磨き、これからも戦ってほしいと思います。
水が幸いにも入らず、走りに影響ない、しかも自分のミスで受けたダメージでも無い、そのスタート前のアクシデントで精神的にバランスを崩した選手と強い気持ちで臨んだ選手が繰り広げる戦いぶりを見ながら、ヨットはスポーツであるとつくづく思いました。
私は「セーリング競技は、ヨットを使って競う人間と人間のコンテストだ」と、選手によく言います。メンタルと言うのか、気持ちと言うのか、いずれにしても「何事にも動じない強い気持ちと、戦う気持ちをもって、経験で養った判断力と練習でつちかった技術を駆使し、変化する自然に対応し、作り上げたスピードを再現しながら人間と競う」のがヨット競技であると定義づけています。
試合は、日程の半分を消化しました。後半戦、1レースづつ上手になってくれることを願っています。
