2009年 470級ヨーロッパ選手権 6月8日(大会初日)報告
2009年06月10日 | コーチの声
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本日(6月8日)より、レースが始まりました。ザルツブルグの北北東約60キロのトラウン湖は、南北に20キロ、東西に5キロほどの細長い湖です。川となって湖水が出て行く北側が開け、コの字型に山に囲まれています。南東から西にかけ、残雪の峰が連なり、水温は冷たく、選手は、ドライスーツやフルのウエットスーツを着用しています。
6月2日より現地での練習を開始しました。しかし、風が弱すぎ、まともに練習できた日は3日あったでしょうか、それも風向風速共に安定せず、この湖が、ヨーロッパ選手権の開催地に選ばれたことを、間違いだと思いました。基本的には、朝のうち山から吹き下ろす南寄りの風、昼に一度、凪になり、その後、180度反対の北寄りの風に変わる、イタリアのガルダ湖に類似した風のパターンになります。レースは、毎日12時から、一つのエリアのトラぺゾドコースを使って、男子41艇づつ2グループ、女子39艇の1グループでレースが実施されます。レース初日の今日は、練習いていた1週間がまるで嘘だったかのような風が吹きました。陸上での風待ちの後、12時40分に北の風が入りだしたところで出艇しました。風速は4メートルから7メートルの間で強弱があり、むらもあって、トリッキーなコンデションに変わりはないのですが、風軸は、25度のまま6時近くなって凪が始まるまで変わらず、安定していました。
女子第1レース、13時30分、風向・25±10度、風速・4から6メートル、本部船寄り、10艇左から良いスタートをしました。大半の艇がスタート後すぐにタキングして右の岸方向を目指しました。
この湖ではオーストリアの選手も、これまでレースをしたことが無いということですから、この湖での戦い方を知っている選手は、ほとんどいないはずです。しかし、山が岸までせまる地形を見て、右方向に収束された風のあることを、スタート前の短い時間の試走で確認してしまうあたりは、さすがインターナショナルレベルの選手達です。近藤・田畑組は、それを理解していなかったわけではないのでしょうが、スタートが良かった為に、少し左方向に伸ばし、艇団の左に位置して展開する形をとりました。しかし、これが災いして、第1風上マークの回航は33位でした。そこから徐々に追い上げていき、風上と風下コースを2周するうちに5位まで順位を引き上げ、フィニッシュしました。この様に追い上げられるのは、艇のスピードと経験と落ち着きがあってのことでしょう。世界ランキング2位の実力と言えるかもしれません。
男子第1レース、13時54分、風変わらず、本部船寄り、5艇、左に並んでいましたが、苦しくなり、30秒前に、自分からその場を嫌って、隙間を探しに行きました。10艇程走ったところの隙間にねじ込むようにして入り、出て行きました。3回のたキングをして、大きなダメージなくフレッシュウインドをつかみ、右方向に伸ばしました。第1風上マークを13位で回航し、その後、追い上げて、8位でフィニッシュしました。
女子第2レース、15時23分、風向25±10度、風速5から7メートル、この時間帯は少し風が強まりました。本部船寄り、一番のスタートをして即タッキングをし、右へ伸ばしました。スタート後、一時的に左に振れて、苦しい形に見えましたが、岸に近づくにつれ、形勢は逆転し、右伸ばしの作戦がぴたりと当たりました。第1風上マークを2位で回航し、最後のランニングで1位に上がりフィニッシュしました。
男子第2レース、15時33分、風変わらず、本部船寄り、一番の即タッキングで右を伸ばし、第1風上マークは3位の回航となりました。岸を目指すのはいいのですが、岸を離れるタイミングを間違うと大きくオーバーセールすることになります。やみくもに岸に突っ込むのではなく、風の振れに合わせて何度かタキングして、上手にマークに寄せた艇が先にマークを回航していました。最後のランニングでオーストラリアに鼻の差で抜かれ、4位でフィニッシュしました。
女子第3レース、16時45分、風向25±10度、風速4から5・5メートル、アウトサイドリミットマーク寄り、4艇右から出て、コースの中央を風の振れに合わせて何回かタキングしながら右に寄せて行きました。この時間帯から、風は少し弱まり、それまでの右の岸沿いの風をなんとしても取りに行くコース取りから、パターンが変わってきました。第1風上マークを5位で回航し、サイドマーク3位、第3風上マークでトップになりましたが、ランニングで守り切れず、2位でフィニッシュしました。
男子第3レース、17時00分、風変わらず、ライン中央から、まずまずのスタートをしました。風のむらもあって、風が振れるのを待つところまで走りきれず、ホープレスに入り、逃げのタッキングをしました。その後、主体性の無いタッキングが2回ほどあり、第1風上マークは、13位の回航となりました。ランニングでは、マークの位置や集団の形を頭に入れてのコース取りが基本中の基本になるのですが、マーク回航直後のラフィングが大きく、その後のコース取りを自分で苦しくしているケースが目立ちました。終盤のリーチングでは6位まで上がっていたのですが、ランニングで順位を落とし、最終的に9位のフィニッシュとなりました。
「初日は、無難に、そこそこの順位で走れば十分。無理をする必要は全くない。この湖でのレースは、何が起こるか分からないし、何が起こってもおかしくない。たとえ悪い順位を走っていても、あるいは取ったとしても動揺してはいけない、落ち着いて走れ。」と指示しました。しかし、初日を終わって、近藤・田畑組、トップと同点の2位、原田・吉田組、3位と出来すぎぐらいの成績でした。明日も同じ指示を出します。波が無くて走りやすく、風速も適度、トリッキーであるということで、誰にも、前を走るチャンスがあります。言い方を変えれば、誰でも悪い順位を取る可能性があると言うことになります。順位はどうであれ、このような試合を経験することで、奥行きのある選手に成長することを期待しています。
