キールウイーク2008 報告第3日(6月27日)

小松 一憲

朝から冷たい雨が降り、海上の気温は、私の時計に付いている温度計で3・8度を示していました。相模湾であれば真冬の寒さです。北緯54度30分、キールは、一旦天気が崩れれば、6月下旬であっても、この寒さになることを覚えておかなければなりません。といっても、私達は、3月にヨーロッパ入りした時の衣類をそのまま持っていますから、特に困ったということではありません。

9時30分に出艇し、レースエリアに到着した10時25分のコンディションは、180度、3.5から5m、11時15分に190度、4.5から6.5m。スタートが始まった11時30分に210度、8から10m、さらに第2レースの13時30分には、6から7m、230度の風が入ってきました。時間の経過と共に風向は右へ右へと変化していき、雨は13時に上がりました。その後、青空も出たのですが、不気味な黒い雲が西方向に出現し、雲の下は、白く煙っていました。予定されていた第3レースが中止され、ハーバーに帰りました。ハーバーへもどる途中、一時的に15mぐらいのパフが入ってきました。中止した理由は、大風が吹いてくるのを予想したからかもしれません。

第1レース、本部船寄りに集まった艇団の左から4番目でスタートしました。きれいなスタートでした。左に少し伸ばしたところで、右に展開した艇団を追ってコースの中央に向かいました。第1風上マークをトップで回航し、それをキープして第2風上マークでは、2位のスエーデンに対し20秒の差をつけていました。その他の艇を大きく引き離し、2艇だけの戦いになったのですが、最終風下マークでは半艇身差まで追いつかれていました。先に回航動作に入ったのですが、マークとの間が少し開いたのを見逃さなかったスエーデンにインに入られ、風上側から抜かれてしまいました。どうして、防御の行動(マークとの間を風上にバウを向け、ラフィングして塞ぐ)をとらずに、あっさりと風上側を通過させてしまったのでしょう。スエーデンは、OCSのスタートで失格だったために1位の順位が付きはしましたが、1対1の競り合いの弱さというか淡白なタクティクスが気になりました。

第2レースもスタートした位置は第1レース同様、集団の左5番目、これもスピードに乗った良いスタートでした。第1風上マークを2位に10秒の差をつけて、トップで回航しました。第2風上マークでは、その差を45秒に広げ、またまたダントツになりました。フィニッシュまで45秒の時間差は変わらず、2位でフィニッシュしたのは、やはりスエーデンでした。

今日の2レースを1、1、でまとめ、ポイント的には2位以下を引き離しました。オリンピックで顔を合わせる、スエーデン、デンマーク、中国、エストニア、ギリシャといったチームに、5から6mの風速域での強さを、ダントツの走りで印象付けました。選手として「慢心」=「過信」=「油断」=「進歩の停滞」の関係を忘れてはなりませんが、オリンピック前に精神的に優位に立つことは、大きな意味があります。迷いが消え、自分の技術に自信が持てる。余裕が出てきて視野が広くなる。競争相手に一目置かれ、勝負がしやすくなる。メリットをあげれば、まだまだあるでしょう。しかし、最後の最後まで謙虚に、そして、ひたむきに努力することが大切です。私はチームアビームにそういったスタイルが定着することを望んでいます。

男子の原田・吉田組は、今日からシルバーフリートで戦うことになりました。このレベルは、各国のオリンピック代表が顔をそろえ、出場してきたと仮定すれば、ブロンズのグループです。何事にも、真正面から取り組み、くれぐれも、めげたり、いじけたりすることの無いよう、頑張らなくてはなりません。きっと「泣きたいくらい悔しい」のではないでしょうか。でも現実なのです。セーリング競技を志す選手として、ゼロから出発するぐらいの決心が必要です。


キールウィーク2008 女子470級成績