キールウイーク2008 報告第1日(6月25日)
2008年06月27日 | コーチの声
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快晴だった空に、午前9時頃から雲が出てきました。海から吹く東の風は、気温も18度と肌寒く、4月頃の服装が必要となります。初日のスタート開始時刻は13時、2レースがおこなわれました。風向80±10度、風速、第1レース6から8m、第2レース7から9m、コンディションは安定していました。この風向の風が吹くと470級のコース(Fエリア)には、右の岸に向かって走り、岸沿いにベンドしてくる風をつかんで風上マークに向かうというセオリーがあります。これがセオリーとして定着したのはいつの頃だったのでしょう、30年?40年?歴史あるキールウイークのことですから、もっと前なのかもしれません。
第1レース、近藤・鎌田組は、スタートラインの半分から本部船寄りに集団ができたところで、その真ん中からきれいに出て行きました。大会の初日、第1レースから無難なスタートをするところを見るのは久しぶりです。ヨーロッパ選手権(イタリア・ガルダ湖)の二日目に「スタートに復調の兆しが見える」と報告しましたが、改めて今日、それが確かなものであるとの印象をうけました。ほとんどの艇がスタート後、早い機会にタッキングをして右に伸ばしたのに対し、左に少し伸ばしたぶん、苦しくなりましたが、第1上マークをトップで回航し、その後もトップをキープしてフィニッシュしました。
第2レースは、最初から右を狙い、本部船寄りの4番手でスタートしました。10秒も走らないうちに自分から風下に落とし、ルームを作ってタッキングしました。このタクティクスは、何が何でも右に方向変換しなくてはならない時に用いるもので、強引な行動でした。もう少し落ち着いて走っても良かったでしょう。しかし、結果的に誰よりも右に伸ばしたことで右のベンドしたパフをつかむことができました。第1風上マークは、2位に20秒の差をつけて、トップで回航しました。サイドマークでは、その差を30秒にひろげ、ほぼダントツ状態になりました。その後のランニングで風下マークを間違えるという凡ミスがあって、2位に後退しました。誰にでもわかる大きなマークを見誤る、まさかのミスです。このようなミスが現実に起こるのがレースなのです。後で聞けば、近藤選手は片方のコンタクトが曇って、ほとんど片方だけの視力でレースをしていたとのことです。よくやったと褒めてやりたいところですが、オリンピックでは絶対あってはいけないことです。これを機に常に予備を携帯して海に出るべきでしょう。
この日のレース結果は1位と2位でした。ただし、高い目標に向かって、より確かなレーシングテクニックの習得を前提にして言うのであれば、今日のレースで起こったことに限らず、終わり良ければ・・・で済ます事など有ってはならず、対策を講じたうえで胸に刻み込む必要があるでしょう。この大会は、勝って当たり前の顔ぶれかもしれません。勝てるところで取りこぼし無く勝つ、言葉で表現すると簡単ですが、なかなか難しい貴重な勉強であると考えます。
男子の原田・吉田組は、今日の第2レースで早すぎるスタート(OCS)をして失格しました。彼等は、3月以来、プリンセスソフィア(スペイン)で2回、イエールオリンピックウイーク(フランス)で2回、ヨーロッパ選手権(イタリア)で2回、今日を合計すると7回、OCSをしたことになります。一年の海外遠征で、これほど多くのOCSを経験したチームは、過去の日本のセーリング界に存在しません。その経験を「うらやましい」とも「もったいない」とも言うことができるでしょうが、いずれにしても国際レースの中で貴重な勉強をしています。欲は言いません、せめて、今から2年後の2010年までに、特に良いスタートなどではなく、無難なスタートができる選手になってくれることを望んでいます。あの手、この手は勿論のこと、言葉も選んで指導するつもりですが、彼ら自身が自分達の努力で、あるとき、目が覚めるかのように「臨機応変に対応し、間合いを取り、時間に合わせて出て行くスタートのテクニック」を習得できると信じています。その瞬間が私の予想を上回る早さで訪れることを楽しみにしています。
