デルタロイドレガッタ2008 大会報告第3日(5月23日)

小松 一憲

横に長く伸びた高気圧に覆われ、好天気が続いています。オランダの春の一番良い陽気なのかもしれません。風は、横に張り出した高気圧の等圧線の関係で東北東から北東3mから6mと、軽風のコンディションになりました。このような気圧配置だと予報もしやすいのでしょうか、掲示板に貼り出されるウェザーインフォメーションがぴたりとあたっています。

原田・吉田組の第1レースは、風向80度、風速3.5から5.5m、リミットマークサイドが有利なスタートラインで、約4分の1右から出ました。スタートラインは無難に切れたのですがラインの傾きから言えばもっと左から出るべきでした。途中、主体性の無いタキングを何回かしていましたが、コースの左奥のパフを拾いに行って、上マークは11位の回航となりました。そして、そのまま順位をキープしてフィニッシュしました。

第2レースは、風向65度、風速4から6m、やや右に傾いたスタートラインで、本部船寄りに集まった艇団を避け、左から10艇目の位置に並びました。自分達の風上にポルトガル、風下にイギリスと良い選手達もだいたい同じ所を狙っていました。スタート15秒前に、ライン上にずらりと並んだ艇のバウが見え、リミットマークと本部船の両方が見えて動揺したのでしょう、ポルトガルとイギリスの両艇が何事も無かったかのようにスタートしたのに対し、彼らだけが、出すぎと判断して、バウダウンをしてしまいました。結果として自分のフリーウォーターを失いイギリスに吸い付く形となりました。このあたりが、インターナショナルのレースを数多くこなし、ランキング上位に名を連ねる選手とのキャリアの差なのでしょう。第1風上マークを30番前後で回航し、フィニッシュは25位でした。

第3レース、風向65度、風速4から5m、スタートラインは風向に対しほぼ90度でした。1回のゼネラルリコールの後、ブラックフラックが掲揚され、本部船横10番手から、きれいにスタートしました。これで9レース中6回が失敗スタートで、成功は3回になります。第1風上マークを15位で回航し、フィニッシュは11位でした。まあまあのスタートを含め、成功した3回のフィニッシュ順位は、5位、11位、11位ですから、普通にスタートすることが、いかに大切なことであるか解ります。

近藤・鎌田組の第1レースは、リミットマーク寄り、下3番手を狙ったのですが号砲の10秒前にスタートラインから締め出されてしまいました。その場からのスタートをあきらめ、タッキングをして5秒前からスターボード艇の後方を抜けて右に出る行動をとりました。苦しい展開でしたが、第1風上マークを8位で回航しました。このあともなかなか順位を上げることができず、ランニングで一つ落として9位でフィニッシュしました。

第2レースは、本部船寄り2番手からスタートし、即タッキングをして右にコースを取りかけ、すぐに左に戻す展開になりました。最初からフレッシュウインドの中を走ることができ、タッキングの回数も少なかったせいで、スタートラインの傾きが若干有利だったリミット寄りから出て、左コースを選択した艇とほとんど差が無く第1風上マークに到達しました。3番で回航したのですが、この順位をランニングのコースで守りきれず、第1風下マークまでに6番に落ちました。続く、クローズホールドのコースでも順位を上げられず、結局6位でフィニッシュしました。

第3レースは、男子がスタートして10分経過し、風向に対し90度だったラインも、リミットマーク寄りが有利に変化していました。しかし狙ったのは本部船寄りでした。パラパラしかいない本部船寄りの7番手でしたが、ここでも待つ位置が低く凹んでいて、見ていても歯がゆくなるくらいのスタートをしました。展開は、やはり苦しくなりました。それでも9位で回航し、フィニッシュまでに3艇を抜いて6位となりました。

これまでの9レース、近藤・鎌田組を見ていると、スタートにおいては、初日の第3レースのBFDによる失格が重くのしかかっているように思います。スタートライン上に並ぶ時に必要な度胸と粘りがなく、消極的です。出て行くタイミングも常に抑え気味で、どうしても凹んでしまいます。これらをクローズホールドの走りでカバーするのですが、限界があります。微風のコンディションのランニングでは、背後に後続艇の集団ができるパターンで順位を落とすケースが目立ちます。ランニングのスケーティング技術とコース取りに、まだ磨きをかけなくてはなりません。練習中の走りをレースと言う緊張状態で再現する、これには数多くのコース練習をこなすのも一つの方法ですが、高いレベルのレースに出て、強いプレッシャーを受けながら会得する以外の妙案は無いように思います。防具を付けての剣道と真剣の切り合いの違いとでも言うのでしょうか。

レースは、明日3レース、そしてメダルレースとありますが、BFDの重圧を撥ね退ける、思い切りの良いレースをしてほしいと願っています。2年前、まだ名も無い選手だった頃の謙虚さとひたむきさを思い出し、のびのびとレースしてほしいと願っています。あれから自分達の何が変わったのでしょう・・・。注目される選手になって失ったものは無いでしょうか。まだオリンピックまで時間が有り心を無にして頑張るべきでしょう、時間のある限り成長することは可能であると考えます。


デルタロイドレガッタ 470級女子成績
Delta Lloyd Regatta 2008