デルタロイドレガッタ2008 大会報告第2日(5月22日)

小松 一憲

終日、晴れて東よりの風が吹き、降雨日数が年間平均200日以上あると言われるオランダにしては珍しく好天が続いています。

定刻の11時、風速、3から5m、風向、70度で男子のレースが始まりました。原田・吉田組は昨日に引き続き、今日も実施された3レース、全てのスタートを失敗していました。号砲後にタッキングをしてスターボード艇の後方を通過し、右に出る、この展開は、このところすっかり定番になってしまったようです。スタートで狙った場所は、リミットマーク寄りの下5番手、スタートライン中央、本部船寄り上5番手とそれぞれだったのですが、自分を挟んでいる左右の艇から頭を出してスタートしていくことができません。イエールの大会で2本のリコールをしたことがトラウマになってしまったのでしょうか、単純にメインシートを引くタイミングが遅いだけなのです。車で言えばアクセルを踏むタイミングが遅いのです。私はこのような場合、「勇気を出せ、人(他艇)の後ろから出て、人(他艇)の前には出て行けないのがヨットのスタート」と言っています。
スタートを失敗しながらも、第2レースでは、右方向から入ったパフを拾い、第1風上マークを6位で回航しました。その後、上手に走って5位でフィニッシュしました。ここで詳細を発表することはできませんが、イエールで調子の良かったマストを近藤・鎌田組が使用し、彼等は新しいマストを使って色々試行しています。セールも違ったタイプのものを使っています。それぞれ、少し判ってきたこともありますので、明日からのレースに変化が出てくれば良いと期待しています。

近藤・鎌田組の第1レースは、リミットマーク寄り下6番手でスタートをして、左に伸ばしました。スタート後、風が右に触れ、リミット寄りから出た艇には苦しい時間が続きました。左に振れ戻るのをじっと我慢して左に伸ばした艇が結果的に第1風上マークを上位で回航しました。この左への振れ戻りを我慢できず、途中、タキングをして右にコースを取ったのですが、これが裏目となって、風上回航は15番となりました。ランニングで18番まで落ちましたが第2風上マークで11番、さらに最後のランニングで9番に上がってフィニッシュしました。

第2レースは、風速(3から4m)も風向(70度)も珍しく安定し、黄土色した水の色と合わせ、昨年、経験したオリンピックの海面、チンタオを連想するコンデションとなりました。ほぼ全艇が左に伸ばす展開となったのですが、左に伸ばす時点で各艇の微風の走りの差が出ました。近藤・鎌田組は、スターライン中央から出てオランダを走りで上突破し、イタリアも2艇を突破してきました。2艇が飛び出す形で並び、その後はイタリアとの一騎打ちとなりました。第1風上マークは、イタリアが一艇身前。風下マークで逆転して3秒差、風上マークではその差を10秒に広げました。次にサイドマークで18秒、最終下マークでは15秒と差をキープし、接戦を制しました。世界ランキング1位と2位の見ごたえあるレースでした。コーチ冥利に尽きるとでも表現するのでしょうか、非の打ち所の無いレースでした。素晴らしいレースを見せてくれた両名に感謝します。

第3レースは、本部船寄り5番手に並んでスタートしました。しかし、自分達より2秒早くメインシートを絞った風上艇(イスラエルの若手・リコール艇)にブランケットされ、逃げのタキングを余儀なくされました。前には、最初から右狙いのタッキングをした艇がいて走り辛く、左にコースを取ろうとすると、ほかの艇に邪魔され、そこでタキングを返すとまたまた別の艇に前でタキングされるという具合に世界ランキングの上位艇ならではの苦しめられ方をしていました。それでも上マークを6番で回航しました。上マークで即ジャイブをして左にコースを取るのかのように見受けられたのですが、すぐに右にジャイブ返すコース取りをしました。後続艇のブランケットの中で、微風のランニングではタブーとも言える、ばたばたの動きをして順位を落としていきました。下マーク回航は20位前後でした。精神的なバランスを崩したのでしょうか、第2風上マークへのコースで順位を更に落とし、後ろに2艇しかいない状態になりました。ランニングで2艇ほど抜いて22位でフィニッシュしたのですが、第3レースで失格(BFD)している為、捨てレースが無く、重い得点になりました。

良いレースの後に悪いレースをする、昨日も同じでした。これは以前から気になる特徴的な傾向です。偶然と片付けるには、頻度が高すぎるように思います。ヨットも他のスポーツ同様、メンタル的なものが強く影響します。それは、思考的な面や気持ちの持ちように影響し、見えるものが見えなくなる、粘りが無くなる、注意深さや慎重さに欠ける、強気になったり弱気になったりの行動をとる・・・ets。


パーフェクトを目指して、日々勉強、この二日間の失敗も成功も、ラッキーな経験でした。このような経験を数多くしてこそ百戦錬磨の域に到達できるのでしょう。オリンピック直前まで、遠征をする計画を立てた、狙いの一つでもあります。


デルタロイドレガッタ 470級女子成績
Delta Lloyd Regatta 2008