2008年 470級世界選手権 1日目(1月24日)
2008年01月25日 | コーチの声
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高気圧に覆われ、いつもなら、からっと晴れて青空が広がるですが、朝の雲が昼過ぎになっても無くならず、終日、曇りのままでした。風速は、レースの時間帯でいうと、1時から2時にかけて4mから6m、2時30分頃に6mから9mになり、その後、1時間に満たない間に3mまで落ちていきました。風速の変化のわりに風向は比較的安定していました。第1レースが210度±10度、第2レースは220度±10度でした。
世界選手権に合わせ、必要と思われる準備と調整を納得いくまでしてきました。前哨戦のセールメルボルンでは2位という結果を出し、特に緊張もせず、ゆったりとした気持ちでこの日を向かえることができました。全ては、私達を支えてくれた大勢の皆さんのお陰と心から感謝しています。ある意味、自信をもって臨んだレースの初日でした。しかし、第1レースは、展開が少し苦しくなったとたん、肩に力が入り、気持ちが空回りし、タクティクスにもスピードにも冴えが無くなってしまいました。「これがヨットレース、これがスポーツの怖いところ」と、観戦しながらため息ばかりつく自分に可笑しささえ覚えました。
スタートラインは250m以上あり、1グループ、28艇にはゆったりとした長さで、角度も風軸に対し、90度ぴったりに設定されていました。アウトサイドリミットマーク寄り10番手、風下にデンマーク、風上にフランス(ランキング2位)という位置でスタートをしました。風下艇を上突破、風上艇も追いやって、なかなかの走り出しでした。しかしその後、風の振れに対する反応が早すぎ、言い方を変えると「小さな振れに反応しすぎ」、「溜めの無いコース取り」となり、コースの内側内側で走る形となりました。
その結果、両サイドに根気良く伸ばし、大きな振れをつかみに行った艇団に、コースの3分の2を走ったところで両サイドから抜かれ、10番手のだんご状態で第1風上マークを回航しました。この10位の回航は、けして悪い順位ではありません。ここで落ち着いて10位を守れば、初戦としてはまずまずだったはずです。リーチングマーク回航後、即ジャイブをしましたが、下マークの位置からするとマイナス角度へのジャイブでした。第1下マーク17位、第2風上マークで20位、フィニッシュは19位と順位を上げられないままフィニッシュしました。
なぜこのような走りになったのでしょう。それは、「スタートは悪くなかったのに」、「もっと前を走れるはず」、「こんなはずじゃない」という気持ちが先行し、硬くなってしまったのです。この硬さは自分達の前を日本艇(吉迫・大熊組)が走り、それが視界に入ることにより、さらに大きくなりました。「周囲を見る、風を見る、マークを見る」、それらができなくなったことでコース取りがちぐはぐになりました。ティラーから伝わるヘルムを感じ取り、風速の変化に適切に対応していく冷静さを失ったことでスピードも無くなりました。「急に下手になった、急に艇が遅くなった」というわけではありません。一言で言えば、メンタルのトラブルだったのです。
第2レースは、風速が少し上がりました。リミットマーク寄り、6番手で好スタートを切り、スピードもまずまずで、第1風上マークは2位と1艇身差の3位で回航しました。マーク回航後のリーチングのレグで2番手に上がり、その後は、風が次第に弱まり、3mまで落ちていく中を、危なげなく2位をキープしてフィニッシュしました。
この2位の成績で落ち着きを取り戻したのでしょう、二人の顔つきも、いつもの表情になりました。
この変化は、明日からのレースにとって大変貴重なものとなります。
レースはこれからです。第1レース、あるいは初日で、この世界選手権の結果を予測するのはナンセンスでしょう。まだまだ物語が作られるはずです。
ひるまず、あなどらず、丁寧に、1レース、1レースを積み重ねていくよう心がけます。
