オリンピック第一次選考会報告(11月18日・大会最終日)

小松 一憲

最終日の報告が、レース後の後片付けと移動、沖縄練習へ向け東京大井埠頭搬入等で遅れました。申し訳ありません。

大勢の皆さんに応援され、お蔭をもちまして第一次関門を1位で通過しました。

最終日は、大陸の寒気を伴った高気圧が張り出し、広島も今年一番の寒さになりました。
北西の風が強く吹き、ハーバーの風速計で17.7mの瞬間最大風速を記録したそうです。

陸に近くセットされたコースへ、山を越えて吹いてくる風は相変わらずで、風速は5mから13mオーバーとアップダウンが激しく、風向も男子の第1レースでは320度から170度まで、50度も振れ、それがさらに振れ戻るといった大変なコンデションでした。

当初からコンデションが危惧されながら、ここでの大会開催を依頼され、一週間以上の会期、尽力された地元関係者の皆さんのご苦労に頭が下がります。

この大会も、最後の二日間で風に救われた感があります。
海外に日本の470級代表を送り出す上で、現状では一番力があると考えられる選手達がきっちり選ばれました。「実力のある選手たちの努力の結果」という言葉を付け加えなければなりませんが、不安定な微風のコンデションで始まったこの大会、前半はどのようになるのか、オリンピック経験者(470級OB)として本当に心配しました。
2012年ロンドンオリンピックにも470級が採用されることになりました。まだ先の話になりますが、2012年に向けての選考レースは、このようなコンデションで選ぶことの無いようにしたいものです。

コースの短さもトップ艇40分、ここで選ばれた選手が世界に出て行くのですが、この広島で行われた選考レースと世界のスタンダードなレースは、少し乱暴な言い方をすれば、種を異にする全く違う次元のレースです。
障害物から遠く離れ、風向風速が安定している場所で、トップ艇の所要時間1時間のコースが作られ、3m以下ではスタートせず、スピードと技術のコンテストがおこなわれます。
来年1月開催のメルボルンの世界選手権には頭を切り替えて臨む必要があります。
私が見るところ、ここで実力を発揮できなかった選手の中に、将来性豊かで光るものを持つ選手が何人かいました。その選手達が落胆することなく今後も精進し続けてほしいと願わずにはいられません。

1位で通過した近藤・鎌田組ですが、この大会を義務付けられた通過点と考え、今後も変わらぬ努力をし、メルボルンでは、昨年銀、今年4位と逃した世界選手権の頂点に向け、まい進してほしいと思います。

4年ごとのオリンピック選考レースのたびに何人かの競争相手が肩を落として去っていきます。
その後姿を見て、私は思います。競争相手がいて自分が成長できたのです。相手を土俵下に投げ飛ばし、ガッツポーズをとる横綱ではなく、土俵下から戻る相手に、そっと手を差し伸べるマナー(優しさ)を、忘れることの無い横綱、二人には、そんなチャンピオンになってほしいと願っています。