オリンピック第一次選考会報告(11月10日、大会第1日)

小松 一憲

朝方に吹いていた北よりの風が、今日は早い時間帯に止み、第1レースのスタート予定時刻10時には、ほとんど無風状態になりました。
ほどなく陸上待機の指示が出て、一旦ハーバーに戻り、12時半まで風を待ち、そよそよと南西の風が入ってきたところで、再び出艇。

13時35分、210度、1.5mの風速で男子から先にスタート、続いて女子がスタートしました。
しかし、徐々に吹き上がると思われたこの風もトップ艇が風上マークに到達するまでに落ちてしまい、レースは中止され、再度、14時20分にスタートしました。
風速は、平均2mあるか無しかのコンデションでした。

不文律と言っても過言ではないインターナショナルの基準からすれば、このような風速では、決してスタートさせないでしょう。
今年のチンタオで実施されたオリンピックのテストイベントでも3mの風が安定して吹いてくるまでスタートしませんでした。
1.5m程度の風では1.3から1.5ノットあるチンタオの潮流に逆らって進むことはできなかったでしょう。
このようなコンデションでレースをおこなえば、もともと波の無い微風のコンデションで育ってきた、あるいは、日頃、そういったコンデションで練習することの多い日本の選手達ですから、この風速での技術的なレベルは総じて高く、今回出場のどの選手にも等しく勝つチャンスがあり、誰がトップになってもおかしくありません。

15時15分にスタートした2レース目は、風速も4mほどに上がりました。
違和感の無い、言い換えればレースコンデションとしては、ごく一般的な微風のレースになりました。

近藤・鎌田選手は、第1レースを2位、第2レースを1位と、それぞれを上出来の成績でまとめました。
私としては、「二日三日は、様子見程度のつもりで良い、無理をせず、欲張らず、はしゃぐことなく、腐ることなく、手堅く走ればよい・・」と言い伝えましたから、予想以上の出来でした。

明日(11日)以降は、気圧配置が西高東低になり、北よりの風、広島湾では岸から風が吹くことになります。
今回のレース海面は、世界のスタンダードなオリンピッククラスのフリートレースと比較すると、異常とも言える程、風上マークが岸近くにセットされるようです。
トリッキーな風の振れに伴い、各レースの順位は、めまぐるしく変化するに違いありません。
レースですから、攻める気持ちを忘れてはなりません。
しかし、そのうえで、どのような事態に遭遇しようとも、気持ちを強く持ち、耐えて耐えて耐え続けて戦いを進めていくことが必要でしょう。